Another Days

tomorrow's another day、some say …

ティモシー、テレフォン、カーリー

【月曜は鷲をめぐる30曲】15・Playin' It Cool / Timothy B Schmidt('84)

MTV時代の84年に出たティモシー・シュミットの初ソロ「Playin’ It Cool」は、当時のチャートを意識したポップロックでカリフォルニアらしい能天気な明るさがありました。タイトル曲”Playin' It Cool”ではジョッシュ・レオ(g)、ヴィンス・メラムド(kb)というグレン・フライの初来日のメンバーに加えJ.D.サウザーも共作者としてクレジットされています。こういうキャッチーな曲があと2曲くらいあればこのアルバムの印象も変わったのに。PVは学園もの風。

https://www.youtube.com/watch?v=g-rngzNR4Z0

 

【名曲リレー2626】new york#2

■New York Avec Toi / Telephone(‘84)

テレフォンはNew Wave的なフレンチロックで77年にデビュー。常に国内ではアルバムはベストセラーとなった人気バンドだったようです。Virginと契約し84年に出た「Un Autre Monde」はグリン・ジョンズがprodしジョン・エントウィッスルがホーンで参加した曲もあるのだとか。軽快な“New York Avec Toi”はジャケット同様小粋な感じです。

https://www.youtube.com/watch?v=aWROzt7kudk

 

ただいまのBGMはカーリー・サイモンの「Anticipation」('71)なり。僕は「No Secrets」の良さがわからない人なんでこの時期のカーリーならまずこっち。ヤードバーズを辞めたポール・サミュエル・スミスのprodによるロンドン録音。ドタバタいうdsはアンディ・ニューマークなんだ。タイトル曲はベスト・トラックです。

 

【先週の読書】

24035■「あまちゃん」はなぜ面白かったか? / 小林信彦文藝春秋

24036■女優で観るか監督で追うか / 小林信彦(文藝春秋)

週刊文春」に連載されてた「本音を申せば」の2013,14年分。急に未読だったこと思い出しましたけど、もう昔のように小林信彦の書くことに一喜一憂はしません(^^)そういえば去年再放送を録画した「あまちゃん」後半まだずっと未見で手付かずでした。

24037新幹線大爆破 / ジェゼフ・ランス&加藤阿礼論創社

映画「スピード」に影響を与えた東映の「新幹線大爆破」は地味な映画でしたがヨーロッパでは短縮版がヒット。それを逆輸入の形でノヴェライズしたのが本書です。共作者の日本人は、映画の原案のプロデューサーの変名。なんとも松本清張的な話でした。
24038■夜明けの花園 / 恩田陸講談社
水野理瀬ものの短編を集めたもので、6篇中3篇が別のアンソロジーで紹介されてます。恩田さんの初期の傑作「三月は深き紅の淵に」('97)の第4章「回転木馬」の中に初めて登場した「水野理瀬」。この部分はこういう小説を書いているというあくまでも予告編で、これが拡大されたのが、第1作「麦の海に沈む果実」('00)。湿原の中にあるワケアリの生徒たちが集めらえた全寮制の小中高一貫の学園をめぐるミステリアスな話で、この本に入った5篇は、この学園のファミリーと呼ばれる仲間を主人公にしたスピン・オフ的な性格が強いです。熱心なファンが多い理瀬シリーズのファンサービス的な感じ。
 学園を去った理瀬が次に登場する「黄昏の百合の骨」('04)はゴシック風味のミステリ。そしてその17年後に出た第3作「薔薇のなかの蛇」('21)は、大人になって美術関係の仕事をしている理瀬がイギリスのエイルズベリーあたりの古い館に招かれ猟奇殺人に遭遇する話。ここにはオネエ言葉のウィルス・ハンター、神原恵弥シリーズのアリス・レミントンも登場し、そのアリスと理瀬の出会いを描いたのが本作の最後に入った”絵のない絵本”です。
どの作品も「麦の海」を読んでないと理解しにくい部分あるのでやはりそっちを読んだうえで本作を読むのがいいでしょう。(2024)