Another Days

tomorrow's another day、some say …

レドン、EC、ARS

【月曜は鷲をめぐる30曲】6・Glass Off / Bernie Laedon Michael Georgiades Band('77)

サーフィンに行くと言って戻ってこなかったという都市伝説があるバーニー・レドンは、どんどんハードになってゆくイーグルスの音楽についてゆけなくなったというか、居場所がなくなったんでしょうね。後ドン・フェルダーの加入で相当なプレッシャーを感じてた模様。脱退後ジョニー・リヴァースのバンドにいたマイケル・ジョージアデスとの共作「Natural Progression」を旧知のグリン・ジョンズのprodで出したのですが、これがソフトロック的な音でナチュラルなカントリーロックとはまた違ったのです。”Glass Off”はストリングスもしっかり入ったドラマティックな音作りでグリン・ジョンズっぽい。

https://www.youtube.com/watch?v=93sH82h6SBI

 

【月曜は鷲をめぐる30曲】7・Visions / The Eagles('75)

「On The Border」からイーグルスに加わったドン・フェルダーの存在はバーニーを脅かすものとなってゆくのですが、フェルダーはもっと歌いたかったんだろうなあ。イーグルス在籍中唯一voを取ったのが「One Of These Nights」に入った”Visions”。voよりもgのフレーズの方が雄弁な曲で、逆にそれぐらいギタリストとして魅力があったわけ。ライヴのセットリストに入ることもなく消えていった曲ですが忘れられるには惜しい。

https://www.youtube.com/watch?v=6deveLGj4cE

 

8・Falling Down / Joe Walsh('74)

バーニーの後任としてイーグルスに加わったのがジョー・ウォルシュでしたが、ハードロック畑と言われた(そうじゃないタイプの曲も多くあることは聞いてる人ならわかってましたが)ウォルシュ参加のニュースをぜひリアルタイムに接し、いろいろ悩んだりしたかったなあとタイムマシンがあれば思います。もちろん同じマネージメントなんでそれ以前から交流もあってイーグルスのステージにゲストということもありました。自身のバンドバーンストームからソロ名義になった「So What」にはイーグルスのメンバーもゲストで加わっていますが、ドン・ヘンリーがハーモニーを聞かせる”Falling Down”をちゃんと聞いていれば、イーグルス加入による変化はもろ手を挙げて賛成だったはず。

https://www.youtube.com/watch?v=Gi7PkCDV5tg

8・Keep On Tryin’ / The Eagles('80)

ツアーと人間関係に疲弊したランディ・マイズナーが辞め後任に加わったのがポコにいたティモシー・シュミット。「Hotel California」のツアー後の参加だったので、まずはレコーディングとして「The Long Run」に結構な時間をかけ(スランプだったし)、79年の日本公演はほとんどお披露目に近かった模様。当然レパートリーも新曲のみ。その後80年のツアーではポコ時代の”Keep On Tryin’”が短期間ながらセットリストに上がってました。アコースティック・セットですが80年6月のLong Beachでのライヴらしいです。

https://www.youtube.com/watch?v=ybDQ933UXSk

 

9・In The City / Joe Walsh('79)

「The Long Run」がスランプの末大変な難産でリリースされたのですが、本来ならシングルのB面曲でLPには入らないタイプの”Disco Strangler”や"Greeks Don't Want No Freaks"を数合わせのために入れなければならなかった事にその苦悩ぶりがうかがわれます。レコーディングの費用もかさんで一日でも早く回収しなければならなかったという事情もあったでしょう。ジョー・ウォルシュが書いた”In The City”も当初は映画「ウォリアーズ」用にウォルシュが提供した曲でした。そっちのヴァージョンはサントラでしか聞けません。

https://www.youtube.com/watch?v=jB9B1uNxwuY

 

10・Same Old Story / Shiloh('70)

若きグレン・フライをフィーチャーしたロングブランチ・ペニーホイッスル同様LAのAmosというインディーからデビューしたシャイロウ(Shiloh)はドン・ヘンリーがいたバンドとして知られています(韓国Big PinkからCD化されています)。その「Shiloh」('70)は、ヘンリーのまだ磨かれていないvoをフィーチャーしたアーシーなロックで当然名盤ではないですがききどころはあります。後にマナサス他のアル・パーキンス(g)、アンクル・ジムズ・ミュージックのジム・エド・ノーマン(kb)にマイク(b)とリチャード(g,vo)のボウデン兄弟の5人組で、兄弟はリンダ・ロンシュタットのバックにも参加していて、リンダのバンドがシャイロウから3人いて、ボウデン兄弟の後任としてランディとバーニーが加わった形になります。ヘンリーのvoがベストなのはカントリー・ロックスタイルの”Same Old Story”でしょう(ちょっと”Cottonfields”に似たメロディー)。

https://www.youtube.com/watch?v=q002qvelQ_4

 

11・I Volunteer

82年に待望のソロ「No Fun Aloud」を出したグレン・フライ。その時点でイーグルス解散のアナウンスはなく(実際はもう解散状態でしたが)、あくまでも活動休止中に趣味のR&Bっぽいソロを作ったみたいな感じでした。実際ルーファスのジョン・ロビンソン(ds)、ホーク・ウォリンスキ-(kb)らが参加したこのソロは旧知のジャック・テンプチンが書いた曲もR&B風の味付けがなされていました。”I Found Somebody”、”The One You Love”などのsaxが入ったバラードがヒット。シングルカットはされてませんがこの”I Volunteer”もしみじみさせるナンバー。コーラスでビル・チャンプリンやマーシー・レヴィ参加しています。作者の一人にテンプチンの名も見られます。

https://www.youtube.com/watch?v=6YoXB6mEdIk

 

12・Peaceful Easy Feeling / Jack Tempchin('76)

イーグルスのファーストに入った”Peaceful Easy Feeling”の作者としてジャック・テンプチンの名前はファンには知られていましたが、76年にファンキー・キングスの一員として歌声を聞かせてくれた後、ソロになってAristaから「Jack Tempchin」をリリース。当時日本盤は出なかったんですが、FMの「軽音楽をあなたへ」のチャッピーさんの<日本盤が出てない曲特集>でOAされたこと覚えてます。ジェニファー・ウォーンズがウォーレンの名前でハーモニーを付けたアコースティックなヴァージョンで、82年のグレン・フライの初来日のヴァージョンもこれに近かった記憶です。

https://www.youtube.com/watch?v=BzaNsWY-9MA

 

13・Wild Horses / The Flying Burrito Brothers('70)

イーグルス参加以前のバーニーのキャリアは、ハーツ&フラワーズ、ディラード&クラーク、そしてフライング・ブリトウ・ブラザーズと、カリフォルニアのカントリーロックの重要どころを渡り歩いてきています。ブリトウズではセカンドの「Burritto Deluxe」から参加。グラム・パーソンズ、そしてクリス・ヒルマンの影に隠れてあくまでもサイドメン的な役柄ですが、いい仕事をしています。グラムとキース・リチャーズの交流から生まれた”Wild Horses”でのstrings-benderはバーニーでしょう。

 

14・In A Minute / Randy Meisner('8?)

03年にSonic Past Musicというインディーから発掘されたマイズナーの未発表曲集「Love Me Or Leave Me Alone」の多くの曲はがっかりするような80'sロックだったのですけど、力強い”In A Minute”はなかなかよかった。手元にそのCDがないのでいつ頃の録音か不明ですが、ブルース・ガイチ(g~リチャード・マークス)とマイズナーの共作で80's半ばのものでしょう。

https://www.youtube.com/watch?v=i--dhptS9LI

15・Playin' It Cool

MTV時代の84年に出たティモシー・シュミットの初ソロ「Playin’ It Cool」は、当時のチャートを意識したポップロックでカリフォルニアらしい能天気な明るさがありました。タイトル曲”Playin' It Cool”ではジョッシュ・レオ(g)、ヴィンス・メラムド(kb)というグレン・フライの初来日のメンバーに加えJ.D.サウザーも共作者としてクレジットされています。こういうキャッチーな曲があと2曲くらいあればこのアルバムの印象も変わったのに。PVは学園もの風。

https://www.youtube.com/watch?v=g-rngzNR4Z0

16・Bad Girls

83年に出たドン・フェルダーの初ソロ「Airborne」はやはり歌やサウンド(テクノ風の曲もありました)よりもイーグリーなgのリフやフレーズに耳が行きます。ネイサン・イースト(b)、カルロス・ヴェガ(ds)参加のシングル”Bad Girls”は今聞くとそんなに悪くはないんですがあの当時はとにかく期待が大きく、求めてたものとフェルダーのやりたかったハードロック的なものに差があったのです。

https://www.youtube.com/watch?v=dMkMu7qaBRE

17・Saturday Night

80年に出たイーグルスの「Live」は事実上のラストステージとなった80年7月31日のカリフォルニアのLong Beach Arenaの音源を含む最後のイーグルスのドキュメントにマイズナーがいた頃の音源を加え、スタジオで音を加えたものですが、80年夏のステージにこの”Saturday Night”が入ってたのがびっくり。「Deaperado」に入ったアコースティックな曲で、スタジオ作ではバーニーのmandolinをフィーチャーしてましたが、ここではフェルダーが弾いてるのか、スタジオでジェイジ・ジャクソンなる人物(でもこの人デザイン系の仕事をジョーのアルバムでやってる素人ミュージシャンですから,g,perc参加というクレジットはにわかには信じがたい)が弾いたのか謎。まあいい曲ではあります。

https://www.youtube.com/watch?v=OdJ2GhEYvho

18・Those Shoes

明るくない曲が多かった「The Long Run」の中で充実したものもありました。フェルダーとヘンリー、フライの共作になる”Those Shoes”はフェルダーとウォルシュの2本のトーク・ボックスを使ったブルージーなもので聴きごたえあります。

https://www.youtube.com/watch?v=S-2BMyZXK5o&list=PLV5K4sK417RjqY9Yt5_12ReNzQGY6PUwc

 

19・Not Enough Love In The World

ドン・ヘンリーのセカンドソロ「Building The Perfect Beast」('84)は”Boys Of Summer”のヒットもありもはやイーグルスの影を感じさせない力作となりました。今日的な音作りもダニー・コーチマーやマイク・キャンベル(ハートブレイカーズ)の協力もあってお手の物でした。”Summer”や”All She Wants To Do Is Dance”あたりに隠れていますが”Not Enough Love In The World”もいい曲。

https://www.youtube.com/watch?v=Uyxku_gamBs

20・Smuggler's Blues

近年は犯罪都市として描かれることも多いアイアミを舞台にした刑事ドラマ「マイアミ・ヴァイス」は、ちゃんとした形で見たことはないんですが80's初めにグレン・フライが出演したエピソードを一部MTVで見たことあり。”You Belong To The City”はこのために書き下ろされた新曲だったと記憶してますが、もとになった世界観は、「The Allnighter」に入った”Smuggler's Blues”でも現れています。後期イーグルスがやればサマになった泥くさいスライド(グレンがこういうソロを取るのは、ひょっとしたら「On The Border」期以来ではないか!)の入ったかっこいい曲。ストーリー仕立てのPVも面白い。フライのセカンド「The Allnighter」(’)に収録。アーヴィング・エイゾフがMCAの社長になった関係でAsylumからMCAに移籍しています。

https://www.youtube.com/watch?v=LSXKyHM133c

 

21・The Confessor

イーグルス解散が正式にアナウンスされると今まで以上に精力的に活動を開始したウォルシュ。原点であるハードロック・ギターに還ったような”The Confessor”はかなりヘヴィな印象で、他のレゲエっぽいリズムの曲とはずいぶんムードが違いますがこうしてPVまで作られたので本人はその気があったのでしょう。枯れた湖でg弾きまくるこのPVhア妙に迫力があります。チェット・マクラッケン(ドゥービー)、ジェフ・ポーカロジム・ケルトナー、リック・マロッタ、デニー・カーマシー(ガンマ)といった複数のdsが参加してるので誰が叩いてるのか不明。ちなみにbassはファイアフォール→ハートのマーク・アンデスサンタナのダイヴィッド・マーゲン、ルーファスのデニス・ベルフィールド、TOTOマイク・ポーカロ、タンゴのリック・ローサスが参加してます。

https://www.youtube.com/watch?v=quVERH404pA

22・

ティモシーのセカンドソロ「Timothy B」ではダンサブルな音になってびっくりしましたが90年のサード「Tell Me The Truth」でもその路線とアコースティックな曲が混在しててこれはこれで落ち着かないものです。ハーモニーを生かしたソフトなものの方がもちろん好みですがあまりにやりすぎると

23・

【名曲リレー2556】promise#2

■Promises / Eric Clapton(’78)

レイドバックした「Slowhand」の人気は高いけど、同傾向の次作「Backless」の人気はイマイチなのはなぜ?先行シングルのあまりにユルイ“Promises”(最高位8位)は大好きでした。寄り添うようなマーシー・レヴィのvoがとてもいい。ある意味到達点だったわけですが、クラプトンはそれまでやってきた仲間と袂を分かって新たなステージへと向かうのです。

https://www.youtube.com/watch?v=U8P0EVFKV74

 

先日”Imaginary Lover”を45回転で聞くとロニー・ハモンドのvoがスティーヴィー・ニックスに聞こえて本人たちもびっくりしてたという話がネットに上がってましたが、アトランタ・リズム・セクションは南部らしからぬ洗練されたムード(それがもう画一的なイメージの押し付けに他ならないんですが)のヴェテラン。”So Into You”は77年の「Rock And Roll Alternatives」からのヒットでした。

https://www.youtube.com/watch?v=QyIZ3pYKOQM

ただいまのBGMはアトランタ・リズム・セクションの「A Rock And Roll Alternatives」('77)なり。サザンロックではありますが泥くささとは無縁の洗練された音。”So Into You”のヒットで注目されていた時期です。ラジオでかかった”Georgia Rhythm”はいかにもアメリカンなメロディーでぐっときます。