【月曜は鷲をめぐる30曲】12・Peaceful Easy Feeling / Jack Tempchin('76)
イーグルスのファーストに入った”Peaceful Easy Feeling”の作者としてジャック・テンプチンの名前はファンには知られていましたが、76年にファンキー・キングスの一員として歌声を聞かせてくれた後、ソロになってAristaから「Jack Tempchin」をリリース。当時日本盤は出なかったんですが、FMの「軽音楽をあなたへ」のチャッピーさんの<日本盤が出てない曲特集>でOAされたこと覚えてます。ジェニファー・ウォーンズがウォーレンの名前でハーモニーを付けたアコースティックなヴァージョンで、82年のグレン・フライの初来日のヴァージョンもこれに近かった記憶です。
https://www.youtube.com/watch?v=BzaNsWY-9MA
13・Wild Horses / The Flying Burrito Brothers('70)
イーグルス参加以前のバーニーのキャリアは、ハーツ&フラワーズ、ディラード&クラーク、そしてフライング・ブリトウ・ブラザーズと、カリフォルニアのカントリーロックの重要どころを渡り歩いてきています。ブリトウズではセカンドの「Burritto Deluxe」から参加。グラム・パーソンズ、そしてクリス・ヒルマンの影に隠れてあくまでもサイドメン的な役柄ですが、いい仕事をしています。グラムとキース・リチャーズの交流から生まれた”Wild Horses”でのstrings-benderはバーニーでしょう。
14・In A Minute / Randy Meisner('8?)
03年にSonic Past Musicというインディーから発掘されたマイズナーの未発表曲集「Love Me Or Leave Me Alone」の多くの曲はがっかりするような80'sロックだったのですけど、力強い”In A Minute”はなかなかよかった。手元にそのCDがないのでいつ頃の録音か不明ですが、ブルース・ガイチ(g~リチャード・マークス)とマイズナーの共作で80's半ばのものでしょう。
https://www.youtube.com/watch?v=i--dhptS9LI
15・Playin' It Cool / Timothy B Schmidt('84)
MTV時代の84年に出たティモシー・シュミットの初ソロ「Playin’ It Cool」は、当時のチャートを意識したポップロックでカリフォルニアらしい能天気な明るさがありました。タイトル曲”Playin' It Cool”ではジョッシュ・レオ(g)、ヴィンス・メラムド(kb)というグレン・フライの初来日のメンバーに加えJ.D.サウザーも共作者としてクレジットされています。こういうキャッチーな曲があと2曲くらいあればこのアルバムの印象も変わったのに。PVは学園もの風。
https://www.youtube.com/watch?v=g-rngzNR4Z0
16・Bad Girls / Don Felder('83)
83年に出たドン・フェルダーの初ソロ「Airborne」はやはり歌やサウンド(テクノ風の曲もありました)よりもイーグリーなgのリフやフレーズに耳が行きます。ネイサン・イースト(b)、カルロス・ヴェガ(ds)参加のシングル”Bad Girls”は今聞くとそんなに悪くはないんですがあの当時はとにかく期待が大きく、求めてたものとフェルダーのやりたかったハードロック的なものに差があったのです。
https://www.youtube.com/watch?v=dMkMu7qaBRE
17・Saturday Night / The Eagles('80)
80年に出たイーグルスの「Live」は事実上のラストステージとなった80年7月31日のカリフォルニアのLong Beach Arenaの音源を含む最後のイーグルスのドキュメントにマイズナーがいた頃の音源を加え、スタジオで音を加えたものですが、80年夏のステージにこの”Saturday Night”が入ってたのがびっくり。「Deaperado」に入ったアコースティックな曲で、スタジオ作ではバーニーのmandolinをフィーチャーしてましたが、ここではフェルダーが弾いてるのか、スタジオでジェイジ・ジャクソンなる人物(でもこの人デザイン系の仕事をジョーのアルバムでやってる素人ミュージシャンですから,g,perc参加というクレジットはにわかには信じがたい)が弾いたのか謎。まあいい曲ではあります。
https://www.youtube.com/watch?v=OdJ2GhEYvho
18・Those Shoes / The Eagles('79)
明るくない曲が多かった「The Long Run」の中で充実したものもありました。フェルダーとヘンリー、フライの共作になる”Those Shoes”はフェルダーとウォルシュの2本のトーク・ボックスを使ったブルージーなもので聴きごたえあります。
https://www.youtube.com/watch?v=S-2BMyZXK5o&list=PLV5K4sK417RjqY9Yt5_12ReNzQGY6PUwc
19・Not Enough Love In The World / Don Henley('84)
ドン・ヘンリーのセカンドソロ「Building The Perfect Beast」('84)は”Boys Of Summer”のヒットもありもはやイーグルスの影を感じさせない力作となりました。今日的な音作りもダニー・コーチマーやマイク・キャンベル(ハートブレイカーズ)の協力もあってお手の物でした。”Summer”や”All She Wants To Do Is Dance”あたりに隠れていますが”Not Enough Love In The World”もいい曲。
https://www.youtube.com/watch?v=Uyxku_gamBs
20・Smuggler's Blues / Glenn Frey(')
近年は犯罪都市として描かれることも多いアイアミを舞台にした刑事ドラマ「マイアミ・ヴァイス」は、ちゃんとした形で見たことはないんですが80's初めにグレン・フライが出演したエピソードを一部MTVで見たことあり。”You Belong To The City”はこのために書き下ろされた新曲だったと記憶してますが、もとになった世界観は、「The Allnighter」に入った”Smuggler's Blues”でも現れています。後期イーグルスがやればサマになった泥くさいスライド(グレンがこういうソロを取るのは、ひょっとしたら「On The Border」期以来ではないか!)の入ったかっこいい曲。ストーリー仕立てのPVも面白い。フライのセカンド「The Allnighter」(’)に収録。アーヴィング・エイゾフがMCAの社長になった関係でAsylumからMCAに移籍しています。
https://www.youtube.com/watch?v=LSXKyHM133c
21・The Confessor / Joe Walsh(')
イーグルス解散が正式にアナウンスされると今まで以上に精力的に活動を開始したウォルシュ。原点であるハードロック・ギターに還ったような”The Confessor”はかなりヘヴィな印象で、他のレゲエっぽいリズムの曲とはずいぶんムードが違いますがこうしてPVまで作られたので本人はその気があったのでしょう。枯れた湖でg弾きまくるこのPVhア妙に迫力があります。チェット・マクラッケン(ドゥービー)、ジェフ・ポーカロ、ジム・ケルトナー、リック・マロッタ、デニー・カーマシー(ガンマ)といった複数のdsが参加してるので誰が叩いてるのか不明。ちなみにbassはファイアフォール→ハートのマーク・アンデス、サンタナのダイヴィッド・マーゲン、ルーファスのデニス・ベルフィールド、TOTOのマイク・ポーカロ、タンゴのリック・ローサスが参加してます。
https://www.youtube.com/watch?v=quVERH404pA
22・
ティモシーのセカンドソロ「Timothy B」ではダンサブルな音になってびっくりしましたが90年のサード「Tell Me The Truth」でもその路線とアコースティックな曲が混在しててこれはこれで落ち着かないものです。ハーモニーを生かしたソフトなものの方がもちろん好みですがあまりにやりすぎると
23・
【名曲リレー2605】dance#3
■You Can Make Me Dance Sing Or Anything / Rod Stewart/The Faces(’75)
フェイシズ末期のシングルでこういう表記になっています。フリーから加わったbassは山内テツです。オリジナルLPには未収録ですがなかなかいい曲だと思います。ただバンドとしての一体感よりもロッドがメインになってしまった売り方にメンバーがちょっと不満を抱いた感じも漂ってます。
https://www.youtube.com/watch?v=ytKzlQx1WBs
【先週の読書】
ただいまのBGMはスティーヴ・ウィンウッドの「Steve Winwood」('77)なり。トラフィック解散後セッションでは名前を見かけていたけど、初ソロにて本格的な復帰となりました。77年という激動の時代に臆することなくオーソドックスな出来。ほとんど一人でやってしまう曲が多い中ココモのリズム隊が参加している”Vacant Chair”にほっこりします。
https://www.youtube.com/watch?v=OeoWxeriwg4
【追悼スティーヴ・ハーレイ】#2・ジュディーは恋人
コックニーはノンLPシングルがいろいろあってアルバムだけ売ってゆくのは片手落ちになります。本国では不発でしたファーストの後74年に入って”Judy Teen”が英5位となりやっと注目されました。violinのピチカートが印象的な演奏です。prod としてアラン・パーソンズの名もクレジット。
https://www.youtube.com/watch?v=fQ5Ra-sln-s
【追悼スティーヴ・ハーレイ】#3・さかしま
勢いに乗ってリリースした”Psychomodo”は、スチュアート・エリオットの小気味よいdsで始まるこの曲はジャン・クロードのviolin、ミルトン・リーム・ジェイムズのpianoが活躍するもの。チャート的には不発でしたが、セカンドLP「Psychomodo」(邦題の「さかしま」はユイマンスのデカダン文学を意識したのでしょう)は英8位で、日本でも一定の評価がありました。ただジャケットはグラムロックからデカダンロック(こんなジャンルはない)風で当時の腐女子はさぞ喜んだことでしょう。また退廃的なムードが極まった”Cavaliers”という名曲が「Psychomodo」にはありまして、”Sebastian”とこの曲がどうしても初期コックニーのイメージ。LPからは”Mr.Soft”もシングルカットされています。ただツアー後バンドはいったん解散、ハーレイはエリオット(ds)以外のメンツを変え新たなスタートを切るのです。
https://www.youtube.com/watch?v=BUBhhwdH9CM
【追悼スティーヴ・ハーレイ】#4・やさしくスマイル
いったん解散したコックニーは新たにスティーヴ・ハーレイ&コックニー・レベルとして新メンバーを加え再スタート。スタッド、ファミリーにいたジム・クレガン(g)、フェリス・ホイールでリンダ・ルイスと一緒だったジョージ・フォード(b)、そしてカーヴド・エアー出身のフランシス・モンクマン(kb)のラインナップでレディング・フェスに出た後、代わってダンカン・マッケイ(kb)が参加。新作は「Bear Days Of Our Lives」のタイトルで75年にリリースされていますが先行シングルとして出た”Make Me Smile”が全英#1の大ヒットとなりました。後にスージー・クアトロもカヴァーしたこの曲何度もコックニーは再発してその都度チャートインするというまさに代表曲。クラヴィネットやアコギなど印象的なプレイも聞きものです。
サードLP「Best Days Of Our Lives」からのセカンド・シングルが”Mr.Raffles”で13位まであがりました。19世紀の作家ホーナングの創造したラッフルスというキャラを歌ったキャッチーなナンバーです。このアルバムのツアーではスノーウィー・ホワイト(g)がセカンドgtrとしてサポートしたとのこと。
75年11月には新作に向けて先行シングルの”Black Or White”がリリース。TSエリオット