Another Days

tomorrow's another day、some say …

エアーズ、タル

【ケヴィン・エアーズの30曲+】20・Champagne And Valium('84)

83年の「Diamond Jack And Queen Of Pain」は、スペイン人バンドをバックにしたもの(もう完全にベースとなってるのはイビザ島ですね)で、英Charlyからリリースされたものが日本の輸入盤ショップにも入って来てて、僕は新潟のブラックライオンで散々迷った挙句パスした記憶があります(店頭でかけてもらったのがピンとこなかった)。原盤はスペインDudua Production。これのデモ音源ともいえるのが80年にロンドンでレコーディングされた「Deia…Vu」でこっちは84年にスペイン盤のみリリース(Blauというレーベルから)。この2枚は兄弟のような内容で何曲かダブってます。prodはバックgtrのホアン・ビビローニと共同。ブルージーなエアーズの姿に一安心のこの曲は「Deia...Vu」から。スタジオライヴっぽい放送用音源か?

https://www.youtube.com/watch?v=bPLFlQuKQLw

 

【名曲リレー2240】easy#2

■Nothing Is Easy / Jethro Tull(’69)

ミック・エイブラムス(g)が抜けブルーズ色が後退したジェスロ・タルのセカンド「Stand Up」は飛び出す絵本式ギミック・ジャケで有名です。大ヒット”Bouree“が入ったこのアルバムのB面1曲目が”Nothing Is Easy“。イアン・アンダーソンのvoとflの合間に新加入のマーティン・バレのgが唸るナンバー。今ではプログレにカテゴライズされていることが多いタルは、英国フォークとブルーズとジャズが一緒になった音を出してます。動画はワイト島フェスのライヴから。

https://www.youtube.com/watch?v=axEK3x5KIYc

 

【先週の読書】

23035■黒魔団 / デニス・ホーイトリ(国書刊行会

国書刊行会の<ドラキュラ叢書>は古典怪談愛好家にはおなじみのシリーズで、これはその第1回配本('76)。後にゲームブックが翻訳されたホーイトリの黒魔術小説で、活劇+薀蓄の構成でテンポよく読ませます。大学時代に古本屋で買って以来相当久しぶりの再読でした。

23036■君を乗せる舟・髪結い伊三次捕物余話 / 宇江佐真理(文春文庫)

主人公はあくまでも伊三次なんですが、不破の息子の龍之進ら見習い同心組を絡めた構成もだんだん乗ってきたシリーズ第6作。

23037■ルビィ / 重松清講談社文庫)
まだ未読の作品多いので忘れた頃に重松作品読みたくなります。これはちょっと辻村深月っぽいファンタジーでした(「ツナグ」とか)。「アサヒ芸能」連載だったので、第1章の設定がエロでそっち方面なのかと思ったらそうでもない(2020)
23038■黄昏の百合の骨 / 恩田陸講談社文庫)
今月の再読オンダーワールドは水野理瀬ものの第2作です。去年17年ぶりにシリーズ第3作が出たのですが、、第1作「麦の海に沈む果実」('00)では、湿原の中にあるワケアリの生徒たちが集められた全寮制の小中高一貫の学園をめぐるミステリアスな話。昭和の少女漫画的なテイスト満載でした。スピン・オフ的な短編、”睡蓮”、”水晶の夜・翡翠の朝”、”麦の海に沈む檻”は確かにこのシリーズです。学園を去った理瀬が次に登場する第2作「黄昏の百合の骨」('04)はゴシック風味のミステリ。魔女の家と噂される白百合荘に血縁のない叔母たちと一緒に住むことになった理瀬の周辺で起きる奇怪な事件を描いています。いつもながら北見隆さんの印象的なイラストが入った「メフィスト」誌色の濃いムード。
 解説で篠田真由美さんが「ラストですっきりさっぱりすべての謎が解かれて、後は青天白日一転の不可思議さも残りません、といったクイズのような小説は書かない。常にその終幕にはいくつもの腑に落ちない部分がまとわりついていて、だからこそまた次々と新しい恩田作品に手を伸ばしたくなる~」としっかり書かれております。