Another Days

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スティーヴィー、マーフィー

【月曜はスティーヴィー・ニックスの40曲】11・Gypsy('82)

82年10月5日に白血病で亡くなったスティーヴィーのハイスクール時代からの親友ロビン・スナイダーに捧げられた”Gypsy”('82)は、「Mirage」からの2枚目のシングルとしてリリースされています。ロビンは死の直前マシューと名付けられた男児を出産、死後ロビンの死を悼んでスティーヴィーはロビンの夫、キムと結婚(これがスティーヴィー唯一の婚姻でした)するも3か月後に離婚しています。”Gypsy”は元々「Bella Donna」の時期に出来上がっていたものですが、マックの為に温存。ラッセル・マルケイが撮ったPVは、モノクロの過去、現在のスティーヴィー(ヒラヒラ全開の衣装!)と結構凝った(の割に意味不明ですが)出来で、マックの曲というよりはスティーヴィーソロの曲というイメージ。ただこの時期コカイン中毒がひどく施設を抜け出してPVを撮ったとか、リンジーとの関係が最悪だったという話がwikiにあります。最高位12位。

https://www.youtube.com/watch?v=mwgg1Pu6cNg

82年のUSフェス(9/5)ではスティーヴィーは調子悪く後半上手く歌えない。

https://www.youtube.com/watch?v=mV_dnrxD6v4

Mirage TourのLA(10/21.22)は、ロビンの死後間もないライヴ。ヒット曲ゆえ歌わざるを得ないスティーヴィーの心中察します。

https://www.youtube.com/watch?v=eBS-Z_CPuMo

 

 

【名曲リレー2416】for#2

■What's Forever For / Michael Martin Murphey(’82)

Capricornのフォールン・ロックというバンドにいたsswのレイフ・ヴァンホイが書いた”What’s Forever For”は、80’sに入ってぐっとポップ・カントリーに寄ったマーフィーのナンバー(最高位19位)。僕はこの頃になるとほとんど聞いてないんですが、いいメロディーです。ヴァンホイはソロも日本盤が出てたような記憶。元々はイングランド・ダン&ジョン・フォード・コリーがやってた曲とのこと。

https://www.youtube.com/watch?v=ospy77CcrpI

 

【先週の読書】
地層捜査(佐々木譲、文春文庫)は未解決のまま放置された過去の事件を捜査する水戸部シリーズの第1作。このシリーズの特徴は東京の町にスポットライトを当てたことで、ここでは新宿区荒木町でバブル末期に起きた元芸妓殺害事件をテーマに町の過去と現在を浮かび上がらせる作風です。ただなかなか解決できなかった事件があっという間にカタがついてしまうのもなんかなあ…という部分あります。
今でも僕がもってる地図帳にはインド北部のカシミール地方はどこの領土ともいえないあいまいな境界になってるのですが、インド、パキスタンアフガニスタン、中国が近接するこのエリアは昔から宗教がらみで紛争地域となっていたようです。80年に書かれた「魔境殺神事件」( 半村良新潮文庫はこの山深い地域の村で「神」が空中で吊るされ殺されている、という事件をエスパーの主人公が巻き込まれ謎を解くという荒唐無稽なSFミステリとなっています。まあ相変わらずのトンデモ内容ですが、殺神事件によってこのエリアの均衡が崩れ後のアフガニスタン紛争('89~'01)につなげるラストはなかなか面白い。
蜜蜂と遠雷恩田陸幻冬舎文庫)が直木賞本屋大賞(2回目)のダブル受賞で盛り上がったのは4年前。ピアノコンクールを題材にした群像劇。いつもの恩田節ではなく文章はわかりやすく、流れるように(やや飛ばし読みに近い形で)スイスイ読めます。わりと文章をかみしめるようにして読むタイプの作家なので、この作品のスイスイぶりはある種異常です。何度読んでも高島明石のエピソードには涙が… 写真はハードカヴァーですが、今回読んだ文庫版上下巻は、担当編集者の苦労話的な解説が面白かったです。