Another Days

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エアーズ、アル

【ケヴィン・エアーズの30曲+】30・Baby Come Home('07)

15年ぶりにスタジオ新作としてリリースされた「Unafairground」(Lo-Max)は、世界各地(NY,ツーソン、ロンドン、グラスゴウ)でレコーディングされたものの寄せ集めで、ヒュー・ホッパー(b)、フィル・マンザネラ(g)らヴェテランから、NYのインディー・ポップ、レイディバグ・トランシスターのメンバー、ティーンエイジ・ファンクラブのノーマン・ブレイク(g)とフランシス・マクドナルド(ds)ら若手までいろんな人たちが参加。比較的短い曲が多く、ゆったりとしたものが中心です。

アメリカーナというかメキシコ風の哀愁のメロディーとアコーディオン、トランペットが印象的な”Baby Come Home”はブリジット・セント・ジョンとのデュエットで、2人の共演は「Shooting At The Moon」さらにブリジットのシングルでデュエットした”If You've Got Money”('70)以来37年ぶりになります。

https://www.youtube.com/watch?v=QoZe2b03b9k

https://www.youtube.com/watch?v=PpuCHxy-xqA

さて久々の新作が出て数年、次に入ってきたのは訃報でした。

2013年2月18日南仏モントリューの自宅にて死去(享年68歳)枕元には「燃えないと輝くことはできない」というメモが残されていたといいます。

 

 

さてレココレがやってくれない○○の30曲、今回はウェールズ・ロックの巨匠、デイヴ・エドモンズ行きましょう。パワートリオのラヴ・スカルプチャーで2枚出した後ソロになっています。まずは初期の代表曲で全部ひとりで録音した宅録の傑作”I Hear You Knockin’”('72)はソロデビュー作の「Rockpile」から。オリジナルはニュー・オーリンズのスマイリー・ルイスのR&Bで見事にロックンロール化。全英#1となりました。

https://www.youtube.com/watch?v=hMjwb13TFCo

 

Swan Songからの第2作で当時日本盤LPのリリースが見送られた「Tracks On Wax4」('78)からの”Deborah”です。キンクスの”Victoria”のオマージュのようなイントロから、明らかにバディ・ホリーを意識した曲調が楽しいです。バックはロックパイル。

https://www.youtube.com/watch?v=i46Pxa8TOhU

 

ジェフ・リンがprodしたArista時代の一連の作品は当時ちょっと色が出過ぎでイマイチと感じてたんですが今聞き直すとなかなかツボにはまります。”Information”('83)は同名LPから。色鮮やかなシンセってあり?と思った当時の事懐かしく思います。トワンギンなgもカッコいい。

https://www.youtube.com/watch?v=yn5-PM3at8Q

 

ゼッペリンのレーベルSwan Songに向か入れられたメンバー以外の人たちはエドモンズとプリティ・シングス(後に同じマネージメントのバッド・カンパニーとマギーベルも)だったというのが実に通っぽい。その第1弾「Get It」はLP入手困難だった80's後半西新宿のDisk Ageという店でちょっと高いかな?と思いながら買いました。ビリー・ブレムナー(g)は未参加ながらほぼロックパイルがバック。この”Back To School Days”は、ロカビリーっぽい曲で古きアメリカ音楽へのリスペクトに満ちています。

https://www.youtube.com/watch?v=oxyTlCHhK_o

 

自身のRockfieldスタジオはレーベルも始め”Baby I  Love You”('74)は記念すべきRockfieldレーベルの第1弾シングル。スタジオにこもってせっせと一人で録音したのでセカンドの邦題は「ひとりぼっちのスタジオ」になりました。これはスペクターへのオマージュでロネッツのカヴァーです。

https://www.youtube.com/watch?v=4aVuqjM-gGQ

 

セカンド「Subtle As A Flying Mallet」からもう1曲。アーサー・アレクサンダーで知られるR&Bのカヴァー"A Shot Of Rhythm And Blues"です。

https://www.youtube.com/watch?v=U29vzt4LywU

 

Swan Song時代の最高傑作は「Repeat When Nescessary」('79)だと思います。ラストに入ったブルージーな”Bad Is Bad”はヒューイ・ルイスが熱いハーモニカを吹くブルージーなナンバーでそういえばヒューイは後に「Sports」でもこの曲を取り上げていました。

https://www.youtube.com/watch?v=gS9CdHlwKXQ

 

Aristaに移籍した「DE7th」に入った”From Small Things”は、ブルース・スプリングスティーンが提供した曲ですが、まったくデイヴ調になっています。

https://www.youtube.com/watch?v=OK2mwefSC58

 

ロックパイルとしては1枚しか残せませんでしたが「Seconds Of Pleasure」('80)はF Beatからのリリース。ニック・ロウのブンブンbassで始まる”If Sugar Was As Sweet As You”は当時”苦い砂糖"という邦題でした。

https://www.youtube.com/watch?v=a3iiW9P1IhA

 

リンダ・ロンシュタットにも取り上げられたエルヴィス・コステロ作品”Girls Talk”ですが、最初にカヴァーしたのはエドモンズ。「Repeat When Nescessary」の1曲目でした。

https://www.youtube.com/watch?v=S4TzjRFfsJs

 

ブリンズレー・シュワーツの「Silver Pistol」に入ってたジョン・フォード作品の”Ju Ju Man”をデイヴは「Get It」でカヴァー。ケイジャンものですが、動画は82年のライヴから。ミッキー・ジー(g)をフィーチャーした当時のバンドがバック。

https://www.youtube.com/watch?v=bd7e5fKJ0xc

 

 

【名曲リレー2332】running#2

■Running Man / Al Stewart & A Shot In The Dark(’80)

「Year Of The Cat」の成功後アル・スチュワートは割と同じようなイメージでアルバムづくりを続けファンにはたまらないものの、ファンではないとどれも同じような印象を受けるのは確か。当時一緒にやってたバックバンドのア・ショット・イン・ザ・ダーク(後に独立)を正式にクレジットに入れた80年の「24 Carrots」の冒頭を飾る“Running Man”は現代的なロックのアレンジでありながらピーター・ホワイトの流暢なスパニッシュgのソロを盛り込んだり、逃亡者の心理を歌った歌詞と、「らしさ」てんこ盛りです。

https://www.youtube.com/watch?v=2Ga518oAmeE

 

【先週の読書】
おや新訳か!と思って借りた「ジャッカルの日」(フレデリック・フォーサイス、角川文庫)のですが(上下分冊)、実は旧訳の新装版でした。相当昔ジンネマン監督の映画を見てその勢いで原作を読んだのが懐かしい。この新装版の解説に元首相の銃撃事件の話が出ててちょっとびっくりでした。なんと何と今年15冊目の半村作品になります「魔女伝説」は「婦人公論」誌に連載されてた結構分厚い長編で、エスパーを扱ったSFですが連載雑誌の関係か、恋愛小説的な色合いが濃いです。親本が刊行になった78年というと「戦国自衛隊」の映画化で角川が今まで以上にプッシュし始めた時期。作者は相当多忙を極めてた時期ですね。ちなみに「魔女」なんて出てきません(^^)
 3年くらい前から平井翁の業績が再評価されておりまして、先月出た「迷いの谷~平井呈一怪談翻訳集成」(創元推理文庫)は、なんといっても1958年に東京創元社から出た「世界恐怖小説集2幽霊島」のブラックウッド作品(ここでしか読めなかったものも多かった)は全部手軽に読めるようになった事はめでたい。改めていろんなタイプの作品をブラックウッドは書いてたことを認識。今回理由も説明されない<純粋怪談>(と平井は命名)は入ってませんけど。
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