Another Days

tomorrow's another day、some say …

ラム、コニー、中まり

【水曜は和もの70's】17・ラム

ラムという日本のグループも多いのですが、「ラム・フライ」('75)をポリドールに残して消えたこのラムは、演者のクレジットがない謎のグループ(個人名ではないでしょう?)アレンジに惣領泰則がクレジット。ソフトロック的なハーモニーが美しい”ノートブックの想い出”は、24分40秒から。

https://www.youtube.com/watch?v=mD-zIS2okTg

 

【名曲リレー2621】wonderland#3

■Lost In Wonderland / Connie Stevens(‘64)

「ハワイアン・アイ」は見たことないけどコニー・スティーヴンスのキュートな声は大好きです。イノセントでドリーミーなアメリカン・ポップスを無性に気に聞きたくなる時ってあります。この曲は大昔長門さんが選曲したNHKの朝の番組で知りました。

https://www.youtube.com/watch?v=pw91_MUEhH8

 

ただいまのBGMは中村まりの「Beneath The Buttermilk Sky」(’09)なり。米ルーツ・ミュージックに強い影響を受けたオリジナルを英語で歌いアコギを弾く本格派で、日本人が歌ってる事を全く意識させないのがびっくりでした。一度ライヴを見たことありますがその印象は弾き語りのステージでも変わりません。

 

 

 

ボーイ、ニルス、MMEB

【火曜はカヴァー曲のカ~ディラン編】6・It Ain't Me Babe

"悲しきベイブ"はタートルズがカヴァーして有名になった曲で「Another Side Of Bob Dylan」('64)に入ってます。これもジョーン・バエズモンキーズのデイヴィー・ジョーンズ(なんと”悲しきベイビー”という邦題)、ブライアン・フェリー、サンディー・デニー(これもいいのですが)などのカヴァーがありますが、最近のものでボーイ・ジョージのを選んでみました。

https://www.youtube.com/watch?v=waToiycgh7c

 

 

【名曲リレー2620】wonderland#2

■Wonderland / Nils Lofgren(‘)

Eストリート・バンドですっかりスプリングスティーンの片腕となっているニルス・ロフグレンのそれ以前の活動は今ではすっかり忘れられた感じです。グリンを経てA&Mから何枚かソロを出し転機だったのがMCAに移籍した「Night Fades Away」だった気がします。「Wonderland」はそれに続くものでタイトル曲ではルイーズ・ゴーフィンがコーラスで参加した爽やかな感じ。

https://www.youtube.com/watch?v=KJPw9kpQN98

ただいまのBGMはマンフレッド・マンズ・アース・バンドの「Circle」('78)なり。大ヒット”Blinded By The Light”の入った前作よりもこっちをよく聞きました。ジョン・サイモンの作品を再び取り上げた"Davy's On The Road Again"はライヴで途中、マンのシンセソロが入ってます。素朴なオリジナルとはずいぶん遠いところまできましたが、60'sのヒット”My Name Is Jack”もサイモン作だったことを考えると面白い。

 

 

ランディ、アース、レイン

【月曜は鷲をめぐる30曲】14・In A Minute / Randy Meisner('8?)

03年にSonic Past Musicというインディーから発掘されたマイズナーの未発表曲集「Love Me Or Leave Me Alone」の多くの曲はがっかりするような80'sロックだったのですけど、力強い”In A Minute”はなかなかよかった。手元にそのCDがないのでいつ頃の録音か不明ですが、ブルース・ガイチ(g~リチャード・マークス)とマイズナーの共作で80's半ばのものでしょう。

https://www.youtube.com/watch?v=i--dhptS9LI

 

 

 

【名曲リレー2619】boogie#3

■Boogie Wonderland / Earth Wind & Fire with The Emotions(’79)

EW&Fがエモーションズを従えてリリースした79年のディスコヒット曲。これを書いてるのがアリー・ウィリスとフィフス・アヴェニュー・バンド出身のジョン・リンドというのが驚きでした。ゴージャスでキャッチーなフックが耳に残ります。「黙示録」という邦題の「I Am」から。最高位6位。

https://www.youtube.com/watch?v=god7hAPv8f0

 

ただいまのBGMはロニー・レイン&ザ・バンド・コールド・スリム・チャンスの「Anymore For Anymore」(’74)なり。フェイシズを辞めたロニー・レインがあらたに始めたのは、バンド形式ではなくダンスや芝居を含むパッケージショーで、このバンド部門がスリム・チャンス。最初のアルバムはフェイシズゆかりのGMからリリースされました。ザ・バンド的な土くさい音楽でギャラガー&ライル、ケヴィン・ウエストレイク、ジミー・ジュエルらが参加。”Bye And Bye”ではレインの飄々とした歌声や泥くさいグラハム・ライルのスライドgが聞きものです。

 

【先週の読書】
24033■グラスホッパー / 伊坂幸太郎(角川文庫)
ちょっと懐かしい伊坂の殺し屋シリーズ。初読の時は整形のリハビリに通ってた頃で待ち時間に読んでたことまで思い出しました。ちょうどのその頃はむさぼるように伊坂作品を読んでたのですが、最近はちょっと飽きてます。久々の再読でしたが、思ってたほどページめくる手が進まず意外でした。
 24034■平場の月 / 朝倉かすみ(光文社文庫)
何年か前の文庫化の際に「映画化決定」の文字が腰巻にありましたがあれはどうなったんでしょうか?3回目にして初めて須藤の気持ちが少しわかったような気もします。

 

【追悼スティーヴ・ハーレイ】#14・バレリーナ

83年には”Ballerina”というシングルが出ました。シンプルなメロディーでこっちの方が"I Can't Even~"よりも楽しめます。70'sの多くのヴェテラン同様80'sはなかなか苦戦していたハーレイですが51位ながら久々のチャートイン。prodはマイク・バット。

そして84年には新たなコックニー・レベルを率いてツアーを行い、今度はミッキー・モストのRAKと契約します。

シスコ、LZ、忠

【オムニバスを聞く日曜】78・San Francisco Night (Rhino:R270536-US’91)

前に紹介したRhinoの全集版「Nuggets」LPに「Early San Francisco」というのがありましたが、それの拡大盤が91年に出た本作。タイトル通りシスコサウンドかと思いきや、Autumnレコードのボー・ブラメルズ、モジョ・メン、ヴェジタブルズなどのガレージ勢、カントリー・ジョー&ザ・フィッシュ、QMS、グレート・ソサエティら本格的シスコ系、そしてヤングブラッズにスライ、ブルー・チアなど。これをさらに拡大された箱も後に出ますが、入門者向きには、コンパクトにまとまった昔のRhinoらしい(音圧も当時のCDに中では十分すぎるくらいでした)出来です。そうそうタイトルは"San  Franciscan Nights”ではないのです。
 
サル・ヴァレンティノ、ロン・エリオットがいたボウ・ブラメルズはスライ・ストーンのAutumnレーベルからデビューした4人組。ブリティッシュ・ビートに対する返答みたいな書き方をされてますが適度な哀愁がいいです。”Laugh Laugh”('64)はデビューヒット。

https://www.youtube.com/watch?v=hQ4WE0GviLg

ダン・ヒックスがいたシャーラタンズは、バフィ・セント・メリーの”Codine”をカヴァーしヒットさせています。このgの感じがとてもカッコいいドラッグ・ソングです。

https://www.youtube.com/watch?v=xXq9dKRHscQ

ビル・チャンプリンをフィーチャーしたサンズ・オブ・チャップリンは大所帯のブラスロックという印象もあるのですが、成功したCapitol時代とは別にVerveからのデビュ0シングルとなった”Sing Me A Rainbow”('66)はフラワーポップ的な味わいもある名曲です。

https://www.youtube.com/watch?v=tv8oxjVuVHo

"Johnny Was A Good Boy"('67)というシングルを1枚出して消えたミステリー・トレンドは、ガレージ系で後に彫刻家としても知られたロン・ネイグル(vo,kb)をフィーチャーしています。

https://www.youtube.com/watch?v=iIkuul_Menk

 

www.youtube.com

 
 

【名曲リレー2618】boogie#2

■Boogie With Stu / Led Zeppelin(‘75)

「Physical Graffiti」に入った4枚目のアウトテイクで、6人目のストーンズ、イアン・スチュワート(p~余談ながら“Rock And Roll”のpianoもそうだったとは知らなんだ)を加えたホンキー・トンクなジャム。歌詞はリッチー・ヴァレンスの“Ooh My Head”('59)とのことで、クレジットにヴァレンス(もちろん“La Banba”で有名なロックンローラー)未亡人の名前がクレジットされています。

https://www.youtube.com/watch?v=MviBlaTIV-s

 

ただいまのBGMは小坂忠の「モーニング」('77)なり。「ほうろう」ばかりが小坂忠ではないと思うのでニュー・モーニング時代のこのアルバムはリラックスした感じがとてもいいです。

バックは佐藤博(kb)を加えたティン・パン・アレイですが、オールディーズ・ムードの”アイス・クリーム・ショップ・ガール”はちょっと違うみたい。鈴木茂のgがいつもながらツボをつきます。

 

 
 

ウィングス、シルコベ、ジューダス

【土曜はポールのウィングス時代30曲】9・My Love

"Mary"のあと72年3月から延々とレコーディングに入ったセカンドアルバムは、当初2枚組を予定しつつもApple側が難色を示し(おまけにポール&ウィングスにしろとセールス用に助言)、結局は「Ram」時代のアウトテイクまで候補にしてしまうのだからマカロックは面白くなかったに違いない。大学ツアーの頃からレパートリーに入ってた”My Love”は先行シングルとしてリリースされたリンダに捧げたバラード。80'sに入ってからのソニーのCMに使われるなど名曲中の名曲であります。途中のマカロックのgソロはとにかくびっくりするくらい評価が高いのです。

https://www.youtube.com/watch?v=A5g9ZwxFKdg

 

【名曲リレー2617】and#3

■Get And Boogie / Silver Convention(’76)

ミュンヘン・ディスコと言っても今は通用しないかもしれませんが、ユーロビートのルーツですな。アメリカのディスコに対抗したユーロ・ディスコの聖地がドイツのミュンヘンで、本国でブレイク以前にドナ・サマージョルジオ・モロダーと組んでドイツで活動してたこともありました。日本は黒人による米ディスコと白人によるユーロ・ディスコの両方の情報がシングル盤を通して入ってくるので、米チャートとはカンケーなくラジオでガンガンかかってました。シルヴァー・コンヴェンションは女性3人ですが、あくまでもダンサー的な存在でシルヴェスター・リーヴァイとミヒャイル・クンツェという仕掛け人が音作りを担当。75年に“Fly Robin Fly”を米#1にして殴り込みをかけた感じ。“Get Up And Boogie”はタイトルの繰り返しと"That's Right“のみが歌詞という画期的なナンバー。ウィングスの”Silly Love Song“に阻まれて2位止まりという話はトップ40ファンの間で有名かも。

https://www.youtube.com/watch?v=hKGrfC1860o

 

ただいまのBGMはジューダス・プリーストの「Sin After Sin」('77)なり。ロジャー・グローヴァーがprodした3枚目でサポートに若きサイモン・フィリップス(ds)が参加。ハードロック逆風時代に独自の進化を遂げつつあったジューダスの最初のブレイクかもしれません。Gullレーベル時代とは打って変わってプロモーションに金かけてもらえるCBSに移籍しての第1弾。ハードロックとしての完成度は次に譲るけど当時結構衝撃的だった”Sinner”を。

 

【追悼スティーヴ・ハーレイ】#13・I Can't Even Touch You

79年にはセカンドソロ「The Candidate」が出て、スチュワート・エリオット(ds)も合流し新たなコックニーのスタートといううわさも流れたのですが、82年にミッヂ・ユーアのprodで”I Can't Even Touch You”というシングルも出ました。いかにも80’sらしい手触りでまあハーレイらしさはあまり感じませんでした。ちょっとフィクション・ファクトリーの”Feels Like Heaven”風。これコックニー名義なんですが実質ソロです。

動画は84年の再結成コックニーのライヴから。「プリマ」あたりからpercで加わっていたスチュワートの弟のリンジー・エリオットがdsに昇格してます。この頃になると曲も演奏もこなれててスタジオ・ヴァージョンよりも好き。

https://www.youtube.com/watch?v=6AI--Xb_Sl4

 

 

 

 

 

 

 

ジーノ、DP,いしだ

【金曜68年もの】ディープ・パープル

フリフリの衣装を着たメンバーのショットがいかにもビート・バンド然としたディープ・パープルのファースト「Shades Of」はヴァニラ・ファッジに影響されたアートロックサウンドを聞かせるものです。カヴァー曲が多くそれをこってりとしたアレンジできかせるものが中心。オープニングに入ったインスト”And The Address”では沸騰するようなオルガンとギターにそれぞれ見せ場があります。米マイナー・レーベルのTetragrammatonからリリースされたため本国では全く無視されておりました。

https://www.youtube.com/watch?v=U7e-c6aJRYE

 

 

第1期ジェフ・ベック・グループのデビュー作がソロ名義ではありますが「Truth」。ロッド・スチュワート(vo)とロン・ウッド(b)をフィーチャーしていてとりわけロッドとベックの火花が散る様なバトルが楽しい”Rock My Plimsoul”は実にヒリヒリします。

https://www.youtube.com/watch?v=u3Kdk4ALYCI

 

ニール・ヤングのデビュー作「Neil Young」のジャケットはよく見ると鮮やかな色使いです。バファロー・スプリングフィールドがバンドの形をなしてなかった68年にいち早くソロに着手したヤングの心意気がわかるような内容で、ひきつったようなgとorganそしてストリングスの使い方が面白い。ジャック・ニッチェの役割の大きさを改めて感じた生涯のナンバー"The Loner"です。

https://www.youtube.com/watch?v=rX5bDqk7Qmo

ファミリーのデビュー作「Music In A Doll House」はデイヴ・メイスンがprodし、ロジャー・チャップマンの強烈なvoも抑え気味ですが、室内弦楽+サイケ的なarrが施された”The Chase”はイントロからして不気味。

https://www.youtube.com/watch?v=cZnWN0VXheE

【名曲リレー2616】and#2

■Seek And You Will Find / Geno Vanelli(‘81)

いつも書くことですがAOR調の“I Just Wanna Stop”で知ったので、ジーノ・ヴァネリはてっきりそっち方面の人かと思ってましたが、プログレ畑でもテクニシャンとして有名だったようです。ただ81年の「Nightwalker」ではやはりAOR(テクニカルな演奏はフュージョン的ですが)的なムードあります。“Seek And You Will Find”は弾きまくるgがカッコいい

https://www.youtube.com/watch?v=wT_FulUbXcE

 

ただいまのBGMはいしだあゆみ&ティン・パン・アレイ・ファミリーの「アワー・コネクション」('77)なり。なぜか松任谷は未参加で佐藤博矢野誠がサポートしています。前にも書いたけど、当時リアルタイムでは、歌謡曲なんだけど歌謡曲っぽくないなあという印象でした。ラストに入った”バイ・バイ・ジェット”は、別れた恋人の花嫁の顔を見たくて羽田までやってきた女性の歌で昭和ですよねえ、テーマが。

 

 

【追悼スティーヴ・ハーレイ】#12・ロール・ザ・ダイス

コックニー解散後ソロになったハーレイはアメリカ的な「Hobo With Grin」('78)を出してこれはあまり評判にならなかった記憶。渋谷さんの「ヤング・ジョッキー」でききましたが。”Roll The Dice”はシングルカットされた軽快な曲。ついにLPも日本で出なくなりました。このあたりからリアルタイムでの情報がほとんど入ってこなくなったのです。

https://www.youtube.com/watch?v=0V6bjkoNNuo

 

 

乱魔、ペンタ、ハート

【水曜は和もの70's】16・乱魔堂

ブラインド・レモン・ジェファーソンの洪栄龍(g)を中心としたブルーズ・ロックが乱魔堂。事務所がはっぴいえんど関連の「風都市」ということもあってそういう感覚もあり、キャッチーなポップ・ロックも得意としてました。ポリドールから出た「乱魔堂」1枚で解散。後にセンチメンタル・シティ・ロマンスの告井延隆(g)もゲスト参加。ビートルズっぽい“ちぇ!”です。

https://www.youtube.com/watch?v=R6CzoVpwIT8

 

【名曲リレー2615】rain#3

■Rain And Snow / Pentangle(‘72)

ペンタングルの「Solomon‘s Seal」に入った“Rain And Snow”のTVライヴを聞くと同じジャンルといわれるフェアポートやスティーライ・スパンとはずいぶん違うバンドだなあと感じます。ジョン・レンボーンとバート・ヤンシュの対称的なg(ここではレンボーンがbanjoを弾く)とジャッキー・マクシーのvoの対比が面白い。

https://www.youtube.com/watch?v=Cago4N2t8bU

 

ただいまのBGMはハートの「Dog & Butterfly」('79)なり。CBSソニーから独立したエピック・ソニーの第1弾の目玉はボストンのセカンドでしたが、第2回リリースの目玉はハートのこのアルバムでした。アコースティックな曲でもフォークっぽく聞こえないのはこのバンドの持つ重さもあるんでしょうね。ビギナーの頃にはあまり感じませんでしたがゼッペリン的なムード(ただ曲をカヴァーしてるとかそういう話ではなく)をちらほら感じる曲があります。と書きながら全くゼッペリン的でないタイトル曲の”Dog & Butterfly”はアン・ウィルソンの歌声にうっとり。

【追悼スティーヴ・ハーレイ】#11・君は他人

コックニー解散後すっかり名前が出てこなくなったハーレイですが、77年にはprodのアラン・パーソンズのAPPの「I Robot」で1曲"The Voice"で歌っています。これがまた何とも言えないシアトリカルなムードはコックニーらしい曲。

https://www.youtube.com/watch?v=c5KAKo9tN5M

 

 

 

 

 

 

レモ4、マーゴ、ゴールドバーグ

【木曜はオルガンいろいろ】レモ4のこと

リヴァープール出身のビートバンドでありながら、ドイツのStar Clubレーベルからデビューしたレモ4は、トミー・クイックリーのバックバンド出身。本国ではさっぱりでしたがなぜかドイツでは人気でした。このバンドは後にアシュトン・ガードナー&ダイクとなるのですが、トニー・アシュトンの弾くオルガンは時にジャジーで、星の数ほどあったR&BタイプのバンドのようにブッカーT&MGズから影響を大きかったようです。

”Skate”は66年のシングルとのこと。

https://www.youtube.com/watch?v=xo8QoqUSLgQ

 

 

【名曲リレー2614】rain#2

■Think Of Rain / Margo Guryan(’68)

マーゴ・ガーヤンの名はソフトロック再評価の中大いに高まって「Take A Picture」は何度も再発されたものでした。元々はスパンキー&アワー・ギャングの“Sunday Morning”の作者としては知られていたのですが。ジャッキー・デシャノンやクロディーヌ・ロンジェが取り上げた”Think Of Rain”はフレンチなムードの小品。ちなみにマーゴはNY出身です。

https://www.youtube.com/watch?v=-ObnQ-wJi88

 

ただいまのBGMはバリー・ゴールドバーグの「Barry Goldberg」('74)なり。元々はシカゴ周辺でホワイト・ブルーズをやってたオルガン弾きで、エレクトリック・フラッグに加わった人ですが、Atcoから出たこれは南部録音でブルーズっぽくなく、スワンプ風味もあります。ディランが加わった曲もあり、ゲリー・ゴフィンとの共作で”それは”スポットライトではない”の作者ヴァージョンも含みます。オープニングの”Stormy Weather Cowboys”の楽しさは格別です。個人的な事ですがかつて西新宿の魔窟の入り口にあったシカゴという店で最初に買った1枚。以後この店で結構見つけると奥地(まあせいぜい僕が行くのはウッドストック、キニー、ディスクロード、エジソン、新宿レコあたりまででしたが)まで行く気力がなくなり早々と撤退することもありました。

 

【追悼スティーヴ・ハーレイ】#10・悦楽の日々

「プリマ」のツアーを収めた2枚組ライヴ「Face To Face」(もう一人の幻影)は結果的にコックニー最後の1枚になりました。ここからのシングルが”Best Years Of Our Lives”でオーディエンスの大合唱が楽しい曲。

https://www.youtube.com/watch?v=30dyEI8ADc8

 

 

グリース、アルディ、古井戸

【火曜はカヴァー曲のカ~ディラン編】5・New Morning

70年の「New Morning」はあまり聞いてないアルバムでしたのでグリース・バンドのこのカヴァーは最初ディランの曲とはわからなかったのです。ガツンとくる強力なそして重心の低いロックンロール。ジョー・コッカーのバック・バンド出身でありながらメンバー4人が超多忙なセッション・マンのグリース・バンドが再び集まったセカンド「Amazing Grease]('75)から。イニシアティヴを取ってるのはウィングスを辞めたヘンリー・マカロック(g)でしょう。

https://www.youtube.com/watch?v=IbLICgpbf84

 

 

【名曲リレー2613】it’s#3

■I Think It's Gonna Rain Today / Francoise Hardy(’71)

ランディ・ニューマンの有名曲。これもダスティ・スプリングフィールドからブライアン・ショート、ジョー・コッカーまで無数のカヴァーがありますが、フランソワーズ・アルディの「Id You Listen」(’71)に入ったヴァージョンを。英語で歌われます

https://www.youtube.com/watch?v=0OHjgrPjF_Y

 

ただいまのBGMは古井戸の「古井戸の世界」('72)なり。デビュー作に入ったこの”さなえちゃん”は、小学校の時はやってたのでしっかり覚えてます。楽しさが伝わってくるライヴです。歌ってるチャボがその後RCに加わるなんて知る由もなかったのです。

【追悼スティーヴ・ハーレイ】#9・君を愛しすぎて

「プリマ」は最初に買ったコックニーのアルバムなんで、情報も何もない中(米EMI盤)結構しつこく聞きました。いい曲いっぱいありますが、B面ではダークな”Innocent And Guilt”に続いて美しいメロディーのバラード”Is It True What They Say”は、RCがよくやるかわいい曲にも似たムードで昔から大好きなやつ。ステージではオーディエンスはみんな歌ったんだろうなあ。

ツアー直前にロッド・スチュワート・バンド参加のためクレガンが辞め、ジョー・パートリッジが正規メンバーになります。この模様を収めたのが次の2枚組「Face To Face」になるのです。

https://www.youtube.com/watch?v=pOFGxQbdqps

 

 

FBB、フューレイ、EW&F

【月曜は鷲をめぐる30曲】13・Wild Horses / The Flying Burrito Brothers('70)

イーグルス参加以前のバーニーのキャリアは、ハーツ&フラワーズ、ディラード&クラーク、そしてフライング・ブリトウ・ブラザーズと、カリフォルニアのカントリーロックの重要どころを渡り歩いてきています。ブリトウズではセカンドの「Burritto Deluxe」から参加。グラム・パーソンズ、そしてクリス・ヒルマンの影に隠れてあくまでもサイドメン的な役柄ですが、いい仕事をしています。グラムとキース・リチャーズの交流から生まれた”Wild Horses”でのstrings-benderはバーニーでしょう。

https://www.youtube.com/watch?v=nV5ncVn15y0

 

【名曲リレー2612】it’s#2

■It's Your Love / Richie Furay(’78)

時代柄AORっぽくなっても仕方ないけど、全然そんなことはない西海岸サウンドをやってるリッチー・フューレイのセカンド「Dance A Little Light」は大好きな1枚でした。ソウルフルな歌声、R&Bっぽい展開はありますがこの冒頭に入った”It’s Your Love”の豊潤な感じはとても魅力的。

https://www.youtube.com/watch?v=uUAsNp6ZWek

 

ただいまのBGMはEW&Fの「Spirit」('76)なり。個人的に”Biyo”は、小林克也さんがDJをやってた全米チャートの情報番組「ナガオカ・ワールド・ミュージック」のテーマ曲だったんで印象的でした(まだCash Box紙があった時代)。日本ではブレイク前夜で、ソウルとかディスコとかそういうジャンルを超越した~とか仕掛け一杯のエキサイティングなステージの情報が伝わって来ていろいろ夢想してた時期です。このインストはとにかくカッコイイ。

 

【追悼スティーヴ・ハーレイ】#8・永遠に愛して

76年にはもう1枚「Love's A Prima Donna」(プリマドンナはお好き?)をリリース。ドウー・ワップからレゲエにまで挑戦した意欲的な1枚で旧A面はメドレー形式になっていてなかなか痛快。ここからまずビートルズ・カヴァーの”Here Comes The Sun”のカヴァーがシングルカット。この奇妙なアレンジのナンバーが10位まで上がる久々のヒットとなりました(余談ですがビートルズ・ファンには不評らしくネットで怒ってらっしゃる方を幾人か見かけました)。次がタイトル曲でこちらは41位止まり。クレガンの流暢なアコギソロが入ってます。

と書きながら貼るのはオールディーズなムードのロッカ・バラードで楽しい”(If This Is Love) Give Me More ”です。コーラスは70'sの英ポップロックのよくサポートしてるトニー・リヴァース、ジョン・ペリー(キャラヴァン他のあの人)、スチュワート・カルヴァーら。

https://www.youtube.com/watch?v=0Owr_U5VnX8

 

【先週の読書】

24029~30■八十八夜物語(1)(2) / 半村良(集英社文庫)
女性誌コスモポリタン」に連載された半村作品は、OLを辞め銀座のバーに勤める妙子の物語。その業界に精通した作者ならでは裏話が楽しい。そういえば「MORE」誌に連載した五木寛之の「四季奈津子」シリーズもこの頃か。(1984)
 
24031~2■八十八夜物語(3)(4) / 半村良(集英社文庫)
後半戦は「続八十八夜物語」として刊行されたもの。こちらは完全に銀座を舞台にしたクラブのママもので、作者のこのジャンルの集大成になるのでないかという一大ドラマになっています。(1986→1988)

 

リヴァプール、スティーヴィー、

 

【オムニバスを聞く日曜】77・She Came From Liverpool~Merseyside Girl Pop1963-68(Ace:CDTOP1561-UK'19)

英AceのBeat Girlシリーズ、それまではレーベルごとでしたが、今回からエリア別。まずはリヴァプール編でマージー河周辺のマージーサイドの女性シンガーを集めたもの。さすがにシラ・ブラック、ベリル・マースデン、グレンダ・コリンズ、ブレイカウェイズらそこそこ知名度がある人たち多し。

 

ジャッキ・マーティンの64年の”Till He Tells Me”は小気味よいビートもの。後ろで弾いてるgがカッコいい、ひょっとしたらペイジかも?リリースはFontanaから。

https://www.youtube.com/watch?v=upRZkxXHe84

 

後にショットガン・エキスプレスをロッド・スチュワートと組むベリル・マースデンはキュートな歌声が印象的な人。「At The Cavern」というオムニバスに入った”Everybody Loves A Lover”はシンプルなビートものです。

https://www.youtube.com/watch?v=5-ed2zYZ_lQ

サマンサ・ジョーンズは元ヴァーノン・ガールズの人でジャッキー・デシャノン作の”Just For Him”('65)はしっとりと聞かせます。リリースはUAから。

https://www.youtube.com/watch?v=3hzbZCKnHmU

ガールズ・バンドのライヴァーバーズの” Why Do You Hang Around Me”は、珍しくBEAT CLUBでの演奏シーンがありました。こうやって取り上げられるのはそれなりに知名度があったからなんでしょうか?

https://www.youtube.com/watch?v=-plCIME4lLU

ティファニーことアイリーン・グリーンのソウツ(Thoughts)を従えてのロッキンなシングル”Baby Don't Look Down”('66)はランディ・ニューマン作品。リリースはParlophoneから。

https://www.youtube.com/watch?v=CxmtFevC5zY

 

 

【名曲リレー2611】what#3

■For What Its Worth / Stevie Nicks(’22)

スティーヴィー・ニックスには11年の「In Your Dreams」に自作の”For What It's Worth”という名曲がありますが、このタイトルで誰もが思い出すバファロー・スプリングフィールドの有名曲のカヴァーも22年にリリースされました。声が若いので過去の音源らしいと思ったのですがそうでもないようです。しかし同名異曲とは紛らわしいけどアレンジはオリジナルに忠実で風化してません。

https://www.youtube.com/watch?v=MWkZBQivP74

 

【追悼スティーヴ・ハーレイ】#7・純白の鳩

「Timeless Flight」(時間を超えた男)は全英18位止まりでしたが、ここからのセカンドシングルが”White White Dove”で、前のシングル黒もこの白も結局チャートでは芳しくなかったのです。ツアーではスノーウィー・ホワイトに代わってジョー・パートリッジがセカンドgで参加したそう。何かが始まりそうなことを予感させるイントロがカッコいい。ついに日本盤シングルも途絶えました。

https://www.youtube.com/watch?v=QFoPeSkW-Zo

 

 

ウィングス、ニュージェント、カーヴド

【土曜はポールのウィングス時代30曲】8・Hi Hi Hi

セカンド「Red Rose Speedway」のレコーディングから生まれた先行シングルで、72年の暮れにリリースされ、この年を象徴するようなグラムロック的なスピーディーなロケンロー。歌詞の面でBBCから放送禁止を食らいますが英5位/米10位。後年更にスピードアップするライヴで映えるナンバーです。マカロックがスライドを弾きます。日本盤初回シングルの右利きポールの話は有名ですね。

https://www.youtube.com/watch?v=LXGcbDmD5hE

ジミー・マカロック時代のテンポアップ・ヴァージョン。

https://www.youtube.com/watch?v=dmjj4_vEaUo

 

 

【名曲リレー2610】what#2

■Just What Doctor Ordered / Ted Nugent(’75)

長らく続いたアンボイ・デュークスは、いつからかテッド・ニュージェントのワン・マン・バンドになっていまして75年の「Ted Nugent」ではついにソロ名義に。但し「閃光のハードロック」という邦題の日本ではテッド・ナジェントというクレジットでした。後にチープ・トリックを手掛けるトム・ワーマンがprod。“Just What Doctor Ordered”は流れるようなgのイントロの疾走感があるナンバー。ちなみに当時のバンドには後にエアロのブラッド・ウィットフォードと組むデレク・セント・ホルムズ(g,vo)や英ジャズロックのイフのdsで80’sのグランド・ファンクで叩くクリフ・デイヴィスがおりました。

https://www.youtube.com/watch?v=brMFu1rrcVg

 

ただいまのBGMはカーヴド・エアーの「Midnight Wire」(’75)なり。パッと見綺麗なおねえさんがいるviolinの入ったプログレとしてカーヴド・エアーは初期の3枚絶大な人気を誇ってましたが、個人的にはぐっとくるのが再結成後の作品たち。フツーのロックバンドになってしまったと言われても仕方ないのですが「Midnight Wire」とか「Airborne」とか後期の作品結構好きです。dsは後にポリスのスチュワート・コープランドで、当時ソーニャ・クリスティーナと結婚してました。

 

【追悼スティーヴ・ハーレイ】#6・アンダースタンド

75年11月には新作「Timeless Flight」に向けて先行シングルの”Black Or White”がリリース。詩人のTSエリオットをテーマにしたものらしいです。76年に出た「Timeless」には75年にハーレィがprodしたオランダの女性シンガー、パトリシア・ペイのLPに提供した”Understand”を収録。パトリシアの妹でハーレイのGFイヴォンヌ・キーリーもコーラスで加わったこの曲はダンカン・マッケイの素晴らしい(そして琴線を震わせる)メロディアスなシンセソロがあります。

https://www.youtube.com/watch?v=DiiHXRdbf5U

https://www.youtube.com/watch?v=HUqGBU8oP58

 

【name】
"Johnny Can't Read"('82)は、ドン・ヘンリーの初ソロ「I Can't Stand Still」からのファーストシングルで、「The Long Run」に入った”Greeks”のようなチープなオルガンのアレンジに拒否反応を示すイーグルス・ファンが少なからずいたことを覚えてます。そして実際に解散していたにもかかわらず、まだバンド継続中のスタンスをメンバーは取ってた事も忘れてません(しつこい(^^))。いまだにイントロが切れたPVしかないのも問題ありますが、このタイトルと歌詞がまたストレートすぎて(読解力の大切さを説いた曲らしいのですが)誤解を生みます。
コーラスでルイーズ・ゴーフィンとヘンリーの当時のGFマレーン・ジェンセンが参加。エンディング近くで”New Kid In Town”の一節を歌うオアソビも当時話題になりました。42位とチャート的には振るわなかったのも最初にカットするシングル曲ではないなあと思いました。