Another Days

tomorrow's another day、some say …

フェルダー、パイ、アシュラ

【月曜は鷲をめぐる30曲】16・Bad Girls / Don Felder('83)

83年に出たドン・フェルダーの初ソロ「Airborne」はやはり歌やサウンド(テクノ風の曲もありました)よりもイーグリーなgのリフやフレーズに耳が行きます。ネイサン・イースト(b)、カルロス・ヴェガ(ds)参加のシングル”Bad Girls”は今聞くとそんなに悪くはないんですがあの当時はとにかく期待が大きく、求めてたものとフェルダーのやりたかったハードロック的なものに差があったのです。

https://www.youtube.com/watch?v=dMkMu7qaBRE

 

【名曲リレー2633】ready#3

■I’m Ready / Humble Pie(’70)

A&Mに移籍したハンブル・パイは、大音量のハードロック路線へと舵を取るのですが、第1弾となった「Humble Pie」ではまずウィリー・ディクソン曲をハードロック風にアレンジ。マリオットだけでなくフランプトンもvoを取りちょっとらしくないが気張ってハード風に決めます。次のライヴ盤にも入ってますが個人的にスタジオ・ヴァージョンの方が好き。フランプトンのgソロもたっぷり聞けます。ジャケットはアール・ヌーヴァー期の英画家のオーブリー・ビアズリーのイラスト。

https://www.youtube.com/watch?v=4fEWI2ZlD5o

 

ただいまのBGMはアシュラ・テンペル改めアシュラの「Blackouts」('78)なり。マニュエル・ゲッチング(g)の流暢なプレイが独特の浮遊感を持って、心地よさを示すのはドラッグが介在しなくてもOK。英Virginから出た前作「New Age On Earth」同様、レーベル・メイトのスティーヴ・ヒレッジにも通じる多幸感を感じさせるトーンです。とりわけ”Midnight On Mars”は、渋谷さんの放送で聞いて以来ずっと大好きな曲。

 

【先週の読書】

24039■小説 浅草案内 / 半村良(新潮文庫)
最近半村良のノン伝奇作品ばかり読んでますが、これはエッセイに近い小説で主人公が北海道から東京に戻って来て浅草に住みだした半村良。実名、虚名入り混じる浅草の日々を語った作品でなごみます、週末ちょうど「異人たちとの夏」の映画を見てたもんだから余計に。表紙挿絵は安西水丸です。(1988)
24040■悪人 / 吉田修一(文藝春秋
全集のコレクションIII「犯罪」から久々に「悪人」を読みました。もう20年近く前の作品で、三人称で書かれた犯罪小説。思えばミステリ的なクライム・ノヴェルがはっきりミステリのジャンルとして市民権を得たのもこの頃だった気がします。出てくる人たち皆どこか欠点があって、ボタンの掛け違いのように悲劇的な事件につながるという悲しい話。一番の悪人は誰だったでしょう?