【オムニバスを聴く日曜】68・Rubayat～Elektra's 40th Anniversary(Elektra:9 60940-2-US'90)
Elektraレーベル創立40周年を記念して、歴代Elektra（一部Asylumも含む）のアーティスト曲を90年時点の新旧アーティストがカヴァーした一種のトリビュートもの。カヴァーするアーティストよりもカヴァーされる楽曲がユニークで、ああこんなのもあったなあという感じ。ちなみにルバイヤートとは、11世紀のペルシアの詩人ウマル・ハイアームの四行詩のことだそうです。コメ欄に何曲か張りましたが、クロノス・カルテットの”Marquee Moon”(テレヴィジョンのカヴァー)、シュガーキューブスの”Motorcycle Mama”(セイルキャットのカヴァー）も印象的でしたが、90年らしい音ということもあって、これがさらに十年後に作られていたらもっと素晴らしかった予感もします。
アッと驚くカヴァーでまず挙がるのはジプシー・キングスにより哀愁度が2割増しとなったイーグルスの”Hotel California”
https://www.youtube.com/watch?v=xUZpoogW_40
これは驚きはしない、適材適所な選曲ともいえるピクシーズによるバタフィールド・ブルーズ・バンドの”Born In Chicago”のカヴァー。暴力的です。
https://www.youtube.com/watch?v=CZ3AJ7iyJG8
これも驚きなし。やりそうなカヴァーのジョージア・サテライツによるジョン・フォガティーのメドレー。アメリカではフォガティーはAsylumだったことを思い出しました。
https://www.youtube.com/watch?v=BwpE4YuUzmE
ナタリー・マーチャント率いる1000マニアックスによるジャクソン・ブラウンの”These Days”も見事。しかし曲の良さに助けられています。
https://www.youtube.com/watch?v=u1vjeGwxAak
キリがないのですが、ブレッドの”Make It With You"をテディ・ペンダーグラスが歌ったヴァージョンはまるで昔から歌ってたようにフィットしています。
https://www.youtube.com/watch?v=NyqM_cV87fk
【名曲リレー2548】heart#2
■Hearts On Fire / Randy Meisner（‘80）
やはりbassを離してしまってはダメだなあ…というのがソロになったランディ・マイズナ―の印象(リック・ダンコと同じ)。ファーストの趣味的な路線からキャッチーなポップロックに転じた「One More Song」ではエリック・カズやジャック・テンプチンといったソングライターが時流に合った曲を書いてて、それはそれで時代は動いてるのだなあと感じたものでした。レコーディングは、クレイグ・ハル(g)、クレイグ・クランプ(ds)、スターリング・スミス(kb)、ブライアン・ガロファロ(b)の手堅い面々がサポートしてますがツアーバンドに一気に格が落ち残念でした。
動画はMidnight Specialでちゃんと演奏してますが7人もいらんでしょ？
https://www.youtube.com/watch?v=ExjvpXOCLeY
ただいまのBGMはアイアン・メイデンの「Iron Maiden」（’80）なり。もう何度も書いてますがこのアルバムはリアル・ハードロックとの別れのアルバムでしてもう諸手を挙げてハードロックばかり聞いてられないなあと思ったことと、ブルーズ・ベースではないNWOHMの一連の新興勢力にピンとこなかったこともありました。けどメイデンはラジオで渋谷さんがかけた”Prowler”と”Transylvania”が好きでジャケットにビビりながらファーストは買いました。たとえばパンク的なスピード感がある”Prowler”などそれまでのハードロックになかった部分には惹かれます。voは初代のポール・ディアノ
東欧ルーマニア北部のトランシルヴァニアといえば吸血鬼伝説で有名な場所で、実在したヴラド三世をモデルにしたドラキュラはブラム・ストーカーが書いて、映画化され大変な評判をとりました。”Transylvania”というタイトルが使われたアイアン・メイデンのファーストに入った二転三転するこのインストは、どんどん展開していって向こうに行ってしまうタイプ（同じテーマの部分に戻ってこない）で複数曲のテーマをつなげたようにも感じます。ジャケットに写ったエディーというキャラは最初なんかと思いました。NWOHMが出始めた頃ハードロックから離れていったのですが、メイデンだけはこのファースト('80)を買ったのでした。
