Another Days

tomorrow's another day、some say …

スティーヴィー、マック

【月曜はスティーヴィー・ニックスの30曲】17・Has Anyone Ever Written Anything For You('85)

「Rock A Little」に入った美しいバラードでルパート・ハイン(!)、キース・オルセンとの共作です。ジョー・ウォルシュ「So What」に入った”Song For Emma”は、71年に交通事故で亡くなった長女エマに捧げられた曲で、コロラドのボールダーにエマのお墓を含んだ噴水のある公園を造ったのですが、ジョーとスティーヴィー・ニックスが恋愛関係にあった時(まったくお盛んな人です事、お二人とも)、この公園に出かけた短い旅は、スティーヴィーに”Has Anyone Ever Written Anything For You”と言う曲を書かせるくらい印象的な出来事だったそうです。余談の余談です。

https://www.youtube.com/watch?v=ppvOlIXcVrc

【名曲リレー2465】wish#3

■Wish You Were Here / Fleetwood Mac(’80)

マックの「Mirage」のラストに収められたクリスティン・マクヴィー作のしっとり系の曲です。当時の恋人のデニス・ウィルソンの事が思い浮かびますが、クリスティンの訃報が届いて以後とりわけ沁みる曲となりました。歌詞を書いてるのはストーン・ザ・クロウズのコリン・アレンですが。

https://www.youtube.com/watch?v=sU1ioGkL4pU

 

ただいまのBGMはルネッサンスの「お伽噺」('77)なり。多分最初に聞いたルネのLPだった気がしますがBTMからWarner Brosに移っての第1作。帯の「凍てついた城には幻想の物語が秘められている~」で始まるコピーは、ファンタジック系の話を好むプログレファンの琴線をつくような感じ。派手なオーケストレーションが苦手なんで決して好きなバンドではありませんが、たまにピンポイントで聞きたくなる曲はあります。ここでは”Midas Man”。米盤のジャケよりも日英のこっちの方がなじみ深いです。

 

ただいまのBGMはジョニー・アヴェレイジ・バンドの「Some People」('80)なり。後にニコル・ウィルスとしてソロも出してるニッキ・ウィルス(vo)をフィーチャーしたジョニー・アヴェレイジ・バンドは、BearsvilleレーベルのNew Wave的な面を担ったパワーポップ。"Ch Ch Cherie"はブロンディー的なニッキのキュートなvoが聞かれるポップチューン。「Bearsville Box Set」でやっと聞くことが出来ましたし、ニコルの「Tell Me」は当時日本盤でなかったんでボックスのライナーで正体が少しだけ分かったのでした。

 

ただいまのBGMはマイケル・ゲイトリーの「Gately's Cafe」(’)なり。アル・クーパーがprodした重要なsswの作品ですが長い事CD化が遅れておりましたが10年くらい前に韓国でCD化。髭面でぽっちゃりのその風貌から想像できないソフトな歌声です。

 

【先週の読書】

山周賞&直木賞ダブル受賞となった怪作「テスカトリポカ(佐藤究、角川書店)。徹底したヴァイオレンス描写が終始淡々と続き(村上龍の「半島を出よ」を思い出しました)ますが、不思議と目を背ける感じではなく、後半一気に読めました。通常暴力と背中合わせになるセックスの部分はほとんど描かれず、アステカの古き神々の話もたっぷり語られます。初めて読む作家さんでしたが、次もまた読んでみたいと思います。

意外に早く順番回ってきました「わたしたちに翼はいらない」(寺地はるな、新潮社)。瀬尾さんや寺地さんの作品がかっさかさの生活に潤いを与えてくれることはわかってたつもりでしたが、こんなにそういったものを渇望してたのかと感じた1冊です。生まれたエリアにずっと住んでる(途中外に出てた時期長かったですが)自分にとって思ってもみなかった発想というかシステムだなあと思ったのです。ある意味重い部分もありますが、それだけにこのエピローグ、さすがです。(2023)
「女神伝説」(半村良集英社文庫)は79年と時期的にもまだ衰えはないはずですが、さっぱりアカンかったです。まあ多作な人ですからそういうものもあります。古代アッシリアのサバの女神像を資料見ながら木彫りで作った主人公が大成功を収めるが…という話。