Another Days

tomorrow's another day、some say …

スティーヴィー、ニューワース

【月曜はスティーヴィー・ニックスの40曲】6・Long Distant Winner('73)

LAのガレージ・パンク、ミュージック・マシーン出身のキース・オルセンは70's後半からポップ・ロックのジャンルで有名なプロデューサーとなってゆくのですが、その才能を早い時期に発揮したのがバッキンガム・ニックスの73年のアルバムでした。ロン・タット、ジム・ケルトナー(ds)、ジェリー・シェフ(b)といったスタジオ職人にリズム隊を任せ、歌の魅力的なメロディーが引き立つ音づくりは、マックの最初の世界的なヒットアルバム「ファンタスティック・マック」に先立つこと2年ですから。このノウハウがしっかり生きています。スティーヴィーとは長い付き合いになるワディ・ワクテル(g)も好演。"Long Distant Winner"は、エキゾティックなリンジーのアコギに乗せて歌われるナンバーでスティーヴィーのべちょっとした声質がメロディにマッチしています。

https://www.youtube.com/watch?v=O6ztSTls0pM

 

 

【名曲リレー2381】rider#3

■Rock And Roll Rider / Bob Neuwirth(’74)

ディラン関係者のボブ・ニューワースのソロがAsylumから出たのは御大のAsylum契約に絡むところがあったんでしょう。ルーズなカントリーロックから南部っぽい音まで多彩なアルバムでクリス・クリストオファソン的なアウトロー・カントリー的な匂いも感じます。

https://www.youtube.com/watch?v=DIdunsqZB84

 

【先週の読書】

佐々木譲の80年のデビュー短編集、鉄器兵、跳んだ(文春文庫)は、時代物でも刑事ものでもないスポーツ青春ものでした。モトクロス、バイク、ボート、テニスを題材としたもので、いずれも瑞々しい筆致です。解説に書かれてるように現在の佐々木さんと比べても遜色ないとは思いませんが。弱小大学ボート部の話「ロウアウト」が結構好きです。

もともとは「わがふるさとは黄泉の国」という第2短編集に入ってた中編を独立して文庫化した戦国自衛隊半村良、角川文庫)('75)。その時点で映画化の噂があったのかはわかりませんが、角川文庫版('77)でも解説の石上三登志(映画評論家)さんが映画化希望と書かれてるんで、ちがうかな?劇場公開後TVで何度か見た記憶がありますが、こんな話だったっけ?と思う印象。原作ではちゃんとオチを付けてます。原題の装備を持った自衛隊が時空を超えて戦国時代の新潟に移動し後の上杉謙信と遭遇。織田信長が存在しないその世界で上杉と共に天下統一を目指すのだが…という話です。
芥川賞も変わったなあ(その通りの意味です)と思うようになったのは「コンビニ人間」や「むらさきのスカートの女」あたりからです。推し、燃ゆ(宇佐美りん、河出書房新社)僕でもフツーに読めるようなテーマの作品でした。宇佐美さんの「推し、燃ゆ」は男子アイドルを全力で推す女子高生あかりの話。共感できる部分とできない部分がありますが、当事者であれば大変な世界だなあというのが本音です。遺骨のようにちらばった綿棒を拾う最後のシーン印象的(2021)。