Another Days

tomorrow's another day、some say …

【スワンプ的】

スワンプ・ロックとは、小川真一さん曰く「むせかえる様に熱い、米南部をルーツとするロック」とのこと。更に付け加えると白人中心のロックでブルー・アイド・ソウル順番ならまずはデラニー&ボニー、デレク&ザ・ドミノス、ジョー・コッカーマッド・ドッグス)という感じで始めてゆくのが筋でしょうが、そうしたものの更にルーツともいえる白人女性シンガーの南部詣でのアルバムから行きましょう。決してスワンプロックではないので、<スワンプ的>と逃げをうってるのです(^^)

まずすべての始まりともいえるダスティ・スプリングフィールドが、チップス・モーマンのアメリカン・スタジオ(メンフィス)でレコーディングした「Dusty In Memphis」('69)。ジェリー・ウェスクラー、トム・ダウド、アリフ・マーディンといった重鎮がprod。当時ダスティは人気も下降気味で、新境地を狙ったこの作品もセールスが伸びずに苦戦しましたが、今では傑作の誉れ高い1枚となっています。

シェールがアラバマのマッスル・ショールズに出向いてレコーディングした「3614 Jackson Highway」('69)です。ダスティ・スプリングフィールドやルルに比べれば、情感に欠けると思うのは個人的感想ですが、この時代彼女たちは黒人にように、そして自分らしさを加えて歌いたい、という感じでした。それをサポートしたのが手本とした南部のR&Bのバックをやってたマッスル・ショールズの面々だったのです。アレサ・フランクリンの”Do Right Woman Do Right Man”(作者はダン・ペン)のカヴァーはイカしてると思います。

https://www.youtube.com/watch?v=v_cMKvKVZYA

 

リリースではシェールよりも早かったダスティ・スプリングフィールドの「Dusty In Memphis」('69)は、白人シンガーの南部詣云々とは別のところで評価が定まった名盤です。最初に聞いたとき南部録音とは思えないほど洗練された都会的に感じました。そうコテコテのサザン・ソウル・マナーを予想していたので大いにはぐらかされたのです。