【ケヴィン・エアーズの30曲+】25・Another Rolling Stone('88)
どういう流れかVirginと契約し「Falling Up」を88年にリリース。ただ当時のVirginは日本でもメガストアというショップを展開する一方ヴァージン・ジャパンという会社を従えた大メジャーでした。ケヴィン・エイアーズという表記がちょっと悲しいですが、”Another Rolling Stone”からして哀愁漂う大人のロック。僕が思い出したのはセルジュ・ゲンズブールとかレーナード・コーエンでした。prodはコリン・フェアリー(元ストリング・ドリヴン・シング)。
https://www.youtube.com/watch?v=6GMxftYbpFQ
【名曲リレー2275】on#3
■Count On Me / Jesse Barrish(’78)
三頭時代のジェファーソン・スターシップの一世一代のヒット曲となった“Count On Me”の作者ヴァージョン。ジェシ・バリッシュはその後マーティ・バリンの“Hearts”の作者として知られてますが、この”Count On Me”も情感あふれるマーティのvoには負けますが適度なレイドバック感が心地いい。この人70’s初めにはShelterからジェシ、ウォルフ&ホイニングというグループを組んでました。
https://www.youtube.com/watch?v=1UukCDYGrIY
【先週の読書】
2054■死者との結婚 / ウィリアム・アイリッシュ(ハヤカワミステリ文庫)
アイリッシュはウールリッチの別名義です。これは相当昔に買ってそのままだったものですが、幾度もの引っ越しに耐え積まれてましたので読みました。「王子と乞食」の変形のサスペンスというか、電車に乗り合わせた金持ち&幸福絶頂カップルと列車事故で極貧の主人公すり替わる話。すり替わったがいつバレるのか?という不安な毎日にある日匿名の手紙が来て… メロドラマ的展開ではありますが、このラストはないなあ… ウールリッチはサスペンスの古典的巨匠ですが出来不出来の差が激しく、これはあかんほうかもしれません。まあ1948年作(翻訳が76年ですから)多少大目に見ても、ね…
23055■短編ミステリの二百年6(創元推理文庫)
この3年くらいちまちまと読んできた創元のこの巨大アンソロジー最終巻ですが。最も現代に近い作品なのにかかわらずかなり難読でした。編者小森収氏がこの二百年の短編ミステリで最高と考えるクリスチアナ・ブランドの”ジェミニー・クリケット事件”の英米ヴァージョン(好みでは英ヴァージョン)を読み比べさせたりとなかなか凝った構成ではあります。80’s初めにHM文庫で「年度別イギリスミステリ傑作選」が突然刊行されたのかが解説でやっとわかったのがうれしかった。この英国産「ウィンターズ・クライム」シリーズは当時高校生でちょっとミステリをかじったぐらいの僕にはあまりピンとこなかった。あと光文社から「EQ」が出てEQMM掲載の作品がHMMには載らなくなったという大人の事情もありました。その「ウィンターズ・クライム」からの”またあの夜明けがくる”(ハイスミス)や”バードウォッチング”(ウィリアムス)もいいのですがいかにも現代的な「アッカーマン狩り」(ローレンス・ブロック)の鮮やかなタッチにクラクラ。そうそう編者が「買っている」スタンリー・エリンはやっぱりそれほど面白いとは思えませんでした。(2021)
新作「街とその不確かな壁」を前に、今回同様同名の中編をを改作した85年のこれを。リアルで新作を買った初ハルキで新潮社から出た箱入り「書き下ろし純文学」でした。2つの話が同時進行で交互に挿入される構成とか、独特の比喩とか、そのスタイルは、すでに完成されてますが今読むとやや鼻白む部分もあります。新作はどんな感じなんでしょうか、期待度高いです。写真は拾い画像。今回読んでるのは講談社から出た最初の全集(「全作品1979-1989」です)。