Another Days

tomorrow's another day、some say …

エアーズ、キャファティ

【ケヴィン・エアーズの30曲+】12・Sweet Deceiver

75年に入るとテンペスト解散で体が空いたオリー・ハルソールが戻って来て新作に取り掛かります(ここではオリー・ヘアカットとクレジット)。フレディ・スミス(ds)、ジェイコブ・マグヌッソン(kb)を加えた新バンドで「Sweet Deceiver」をリリース。同じマネージャーということでエルトン・ジョンの参加も話題でした。時流と関係ないマイペースの音楽ながら、英国流ユーモアやモダン・ポップ的な香りも感じさせられる中期の意欲作でした。タイトル曲はひきつったようなオリーのgがすさまじい名曲です。

https://www.youtube.com/watch?v=so2O10SePc0

 

【名曲リレー2184】town#2

■Small Town Girl / John Cafferty & The Beaver Brown Band(‘85)

ティーンエイジ版スプリングスティーン(とはいってもこれが出た85年は日本でやっとスプリングスティーンの人気が裾野まで広がった頃)的な扱いだったジョン・キャファティ―の音楽にオールディーズなマインドを感じるのは、prodがジェイ&ジ・アメリカンズのケニー・ヴァンスということもあるのでしょう(“Looking For An Echo”という悶絶的名曲があります)。Saxのブロウで始まる“Small Town Girl”の甘く切ない感じもいいです。歌詞の中で出てくるsmall townは主人公の生まれ育った小さな町で、small town girlは、都会へ出て行って夢やぶれて帰ってきた地元の象徴なんでしょうね。

https://www.youtube.com/watch?v=sdcFlPpF8AE

 

【先週の読書】

23009■爆弾 / 呉勝浩(講談社
去年の「このミス」(宝島社)
「ミス読み」(ハヤカワ)1位の2冠作品(文春は3位)。無差別テロの犯人の仕掛けるゲームと刑事の勝負@取調室、と書くと本格ものに近いように感じますが、現場で動く刑事の動きもわかって一気読みのクライム・ストーリーでした。かなり面白い。早くも映画化云々と外野が騒いでおります(2022)。
23010■暗約領域 / 大沢在昌(光文社)
新作を前におさらいの新宿鮫。周辺キャストも変わり女課長、若い相棒が加わった11thはかなりのヴォリュームで前作の流れの金石と呼ばれる謎の集団との対決を描く。最後の事件のきっかけとなったマンションでの邂逅シーンがメロウです。しかし暗約という言葉はないので紛らわしい(2019)。
23111■サイケ / 姫野カオルコ集英社文庫
タイトル通りサイケの時代の少女視線による短編集。世界観などいつも同じではありますが相変わらずうまいと感じます。今回はちょっと弱いのは結構若い頃の作品だからかな?”オー!モーレツ”が◎(2000)。