【和ものの月曜日】飯島真理
昨日別のところにもすごく言葉を選んで書いたのですが、飯島真理に関しては、無名の新人sswのデビュー作を坂本龍一(YMO末期でした)がprodするという記事を読んだのがきっかけ。大村憲司や後藤次利、林立夫なんかも参加してた記憶。やり手のいい大人がいたいけな少女をオモチャにして楽しむ…みたいな不遜な想像もしたのですが、「ロゼ」('83)というデビュー作を聞くと想像は斜め上を行ってました。「マクロス」の声優仕事(声優アイドルというのがまだなかった時代です)、童顔ゆえのアイドル的なルックスなど様々な雑音ありましたが、未完成ながら早熟ぶり(音楽の専門教育を受けた(国立音大出身)感をすごく感じます)が同世代としてまぶしかった。角松、タツロー路線の開放的なナンバー"ひみつの扉"もいいですが、ここは”ブルーベリー・ジャム”で。
【名曲リレー1714】alone#3
■I'm Alone / Deep Purple('71)
シングル”Strange Kind Of Woman”のB面でオリジナルLP未収録だった”I’m Alone"は、それでも各種のベストに入った2期の有名な未発表曲でした。gとorganが追いかけっこするような構成で派手さはありませんがよく出来ています。ぼくが最初に聞いたのは3期の米ライヴをメインとしたブートの「Perks And Tit」でした。
【先週の読書】
これまた実験的な試みの作品。20年以上前女性二人が橋から飛び降り自殺した記事を見かけて以来、心の奥底に棘となって残っていたことを意識していた女性作家(もちろん作者自身の投影)がその記事をもとに完成させる作品「灰の劇場」とそれにまつわるモノローグ的な「0」、その飛び降り自殺した女性二人ーMとTーを主人公にした「1」、女性作家が完成させた「灰の劇場」が舞台化されるまでの話「(1)」と3つのパートが交互(でもないか)に出てくる作品。かつてクラクラするような感触を味わった「中庭の出来事」('06)から時折書かれる実験的作風の作品は好みではないけど、最後までちゃんと読ませる力はちゃんとあるのです。若者が「本当にあった話」にこだわる部分と、日常に潜む絶望の話がインパクトあります(2021)。
21105■ペンギン・ハイウェイ / 森見登美彦(角川文庫)
今月のモリミーは、いつものタッチではない、科学の子アオヤマ少年と不思議な力を持った歯科医院のお姉さんのSFファンタジー。好みの感じではないけど、ちょっと切なく染み入る部分あります(2010)。
21106■ウィンザー公掠奪 / ハリー・パタースン(ハヤカワ文庫NV)
「文春」に長年連載されてるエッセイですが、最近はずっとご無沙汰でしたので4年ぶりくらいに読みました。これは2020年編。最初の頃のコロナの話、昔の映画の話中心です。自分ところなんで忌憚なく書きますが、やはり御病気される前に比べると文章が...と失礼ながらの感想。昔はもっと怒ってらした記憶あるのに丸くなられた。黒澤の「用心棒」の高い評価は?と以前は辛らつに語られてたのに、ずいぶん優しい。お元気で長生きしてください(すごいまとめ方だなあ)(2021)。
【FC】
いつも書いてますが初期ロビン・トロワーは幾何学模様ジャケがずっと続いてて、どれもジャケットは印象に残らなくて(僕にはですが)、損してるなあと思います。ブルーズをベースにしたロックですが、いわゆるブルーズ・ロックとはまた違う独自の音。ジム・デューワーのvoがとてもいいのです。”In This Place”は「Bridges Of Sighs」から。プロコル・ハルム時代の仲間のマシュー・フィッシャーがprod。ヒット曲もなしにアルバムが米チャートで最高位7位というのはすごい。聞く人がデッドの様にトリップするために買った(^^)説もありますが…