Another Days

tomorrow's another day、some say …

種、サウザー

【和ものの月曜日】種ともこ
京都出身のssw、種ともこ。80'sは結構露出もあったのですが今ではスタジオ音源をつべで探すのも大変。デビューは85年でCBSソニーのオーディション合格から。同期にはThe 東西南北(なつかしっ!)らがいたのだとか。「謝謝 Bye Bye」('87)は借りて結構聞いた記憶。明るく元気なキャラとちょっと変わった歌詞、今となっては打ち込み中心の80'sの音が印象的。少年目線のこのタイトル曲は今でもじわり(歌詞にも)。これは87年の「ニュー・サウンズ・スペシャル」(NHKFM)のスタジオ・ライヴ。エアチェックしたなあ。
【名曲リレー1700】lonely#3
■You'reOnly Lonely / J D Souther(’79)
日本ではソニーカーラ・ボノフ同様AORとして売り出しましたが、サウザーの3枚目はロカビリー的な味わいもある作品でしてsswそのものだったファースト、弦を使った曲を入れ洗練されたセカンドとはまた別の世界。大瀧詠一が「A Long Vacation」を作る前に”You’re Only Lonely"のロイ・オービソン風味を参考にしたという話よくわかります。
 
 【FC】
ファニーそのものも日本ではちゃんと紹介されていないので、その中心メンバーのジューンとジーンのミリントン姉妹のアルバムも多分出てないよね?ジョン・サイモンの「ジョン・サイモンズ・アルバム」に何で参加してたのかがよくわからないのです。78年のミリントンとしての唯一作「Ladies On The Stage」(UA)は、つべで聞いた感じではなかなかいいです。
 
 【先週の読書】
21097■心淋し川 / 西條奈加(集英社)
宇江佐真理さんがお亡くなりになってから時代小説遠のいてます。宮部みゆきさんの作品を読むくらい。千駄木あたりの貧しい人たちの長屋を舞台にした連作もの「心淋し川」(うらさびしかわ)は、直木賞受賞作品。西條さん初読みです。市井ものではありますがもうちょっとグッとくるものが、欲しかった気がします(個人的感想ですが)(2020)。
21098■触発 /今野敏(中公文庫)
ファンの方には悪いのですが今野さんの作品、サクサク読めるのですがなんというか自分の中にあまり残らないというか、読んですぐもう忘れちゃう感じ。爆弾テロと警視庁に出向になる爆発物処理のプロの自衛官の話です。読んでるうちはたしかにある程度の楽しさあったのですが… 求めすぎ?
21099■上と外 / 恩田陸幻冬舎文庫
恩田センセの作品では長年の挫折続きで読めてなかった大作やっと今回クリアでまずはめでたい。元々はキングの「グリーン・マイル」が流行ってた頃、毎月リリース分冊で6冊の文庫書き下ろし長編企画だったそうですが、結局隔月となりました。その後1冊にまとまったハードカヴァーが出て、最終的な上下2巻の文庫に。
マヤ文明「ムー」的な話と、母子、父子家庭の家族間の話が交差する構成で、後に南米紀行エッセイが出ますが、この時点では取材のみ、出かけてはいないとか。兄妹の真夏の大冒険的な話はある種荒唐無稽なのですが、「ロミオとロミオ」や「七月・八月」のルーツともいえる作品でした。あとがきでも書かれてましたが多くの人が「上と下」だと誤って信じ込んでたという話。書くいう僕もその一人でした(2000)。
21100■玻璃の天 / 北村薫(文春文庫)
ベッキーさんもの第2作。前に読んだ時は単行本でしたが今回は文庫。このシリーズしっかりとした解説がついていて心強い。時代がどんどんどんどんきな臭い方向に向かってることを後の時代に生きる僕らは知ってます。「幻の橋」「想夫恋」「玻璃の天」の3編は自由に発言することもそろそろ制限され始める時代の話。ベッキーさんの生い立ちが少しずつ明かされてゆきます。このままラスト作へGo!(2007)。