Another Days

tomorrow's another day、some say …

9.30フライ、キャラヴァン

【月曜の女たち】バーバラ・ウェインライト(Barbara Wainwright)
 
9.30フライ(9.30 Fly)という奇妙な名前のバンドがあります。Emberというマイナーレーベル(Pye傘下でしたっけ)に1枚出して消えたプログレ風のよくわからないバンドですが、ここの紅一点がバーバラ・ウェインライト。リードvoではないのですが妙に耳に残るハーモニーだったりします。”Summer Days”はその唯一作から。72年作。
 
【名曲リレー1378】land#3
■In The Land Of Grey And Pink / Craravan('71)
初期キャラヴァンの大傑作のタイトル曲。J・R・R・トールキンの「指輪物語」の中つ国の事をタイトルはあらわしてるのだとか。牧歌的な空気が全体を覆っています。前半はpiano、後半はノイジーなorganとデイヴ・シンクレアは大活躍です。うがいをするように喉を震わせるところがvoでありますが、BBC音源では思わず笑ってしまうヴァージョンがありました。

https://www.youtube.com/watch?v=9hmFzGTxod4

 

【先週の読書】

地獄島の要塞 / ジャック・ヒギンズ(ハヤカワ文庫NV)
日本で最初に翻訳されたヒギンズ作品('74)だそうで、解説にヒギンズとは有名作家のペンネームではないか?という一節があっておかしい。これ以前の別名義で書かれてた作品もちょくちょく読んでるんですが、潜水病の恐怖に悩むダイヴァーがギリシア反政府軍の仲間を助け出すために難攻不落の島へ救出へ向かう、という本題に入るまでが長い長い。本文で「地獄島」という記載は一切ないし、付属についてる地図もあまり意味をなさない、とずいぶんな印象も受ける冒険アクションでした。
長崎乱楽坂 / 吉田修一(新潮社)
昭和の任侠一家がだんだん落ちぶれてゆく話を子供の目線で描いた作品。伊集院静さんの作品によくあった世界ですが、吉田さんのも実にリアルというかノンフィクションではないか?と思わせる部分多々あります。全集で読んでるんで(IVの「長崎」編に収録)画像は拾いものです。
雪月花黙示録:恩田陸 (角川文庫)
なんか久々になる恩田センセですが、これはライトノヴェル寄りの作品。「ロミオとロミオは永遠に」+「夜の底は柔らかな幻」の世界観がミックスされた軽いアクション。例によって設定など一切の説明がなく読者は読みながら学んでゆくのですが、舞台となった<ミヤコ>は奈良で、敵対する帝国主義の本場が<ナゴヤ>と言うのが笑ってしまった。例によって風呂敷たたむつもりもないエンディングです。
きたきた捕物帳:宮部みゆきPHP
新シリーズは「桜ほうさら」の鉄勘長屋の面々が登場する捕物帳。やや小粒ですが今後たのしみではあります。