Another Days

tomorrow's another day、some say …

汁、JA

【月曜はAsylumの人たち】2・ジュディー・シル(Judee Sill

レーベル設立の大きな理由がジャクソン・ブラウンの才能を知らしめたかったという事なんですが、第1回リリースとなったのは71年のジュディ・シルの「Judee Sill」(SD5050)でした。見た目は知的で穏やかそうな風貌ですが、ドラッグと犯罪におぼれた人で最後は壮絶な死を選んだ人。そのヴァイオレントな人生とは裏腹な歌声です。80'sあたりまですっかり忘れられた人で2枚のLPもかなりレアで、店頭でなかなか見かけなかった。ジム・オルークなどオルタナ系の人たちがとりあげて、再評価されるようになったのは90's以降だといいます。その後BBC音源や幻のサードがリリースされるというサプライズもありました。”Jesus Was Crossmaker”はグラハム・ナッシュがprodしています。この曲は割とキャッチーですが、他の曲はもっと気高い静謐な美しさに満ちたフォーキーなもの。軟弱でなんかあるわけはない。

https://www.youtube.com/watch?v=40O8nfSRbRg

 

【名曲リレー2815】feel#3

■Pretty As You Feel / Jefferson Airplane(‘71)

ジェファーソンの「Bark」(’71)は自身のレーベルGruntの第1弾となったものです。ヨーマ・コウコネンのブルージーなgをたっぷりフィーチャーした”Pretty As You Feel”は、パパ・ジョン・クリーチの哀愁のfdlも聞けます。ヨーマとキャサディーはパパ・ジョンを誘ってのホット・ツナの活動も軌道に乗ったところでした。

https://www.youtube.com/watch?v=5dbshnvztGA

 

 

【先週の読書】

24114■私と踊って / 恩田陸 (新潮文庫)
約5年ごとに出る寄せ集めのノンジャンル短編集でこれは3つ目かな。短編というか散文的なものもあって、そういうものだけ集めた「六月の夜と昼のあわいに」のような短編集は激しく苦手なんですが、幻想系の色合いも濃いです。一番ぐっと来たのは星新一トリビュートの「忠告」と「協力」で犬と猫の視点でご主人さまにむけての手紙。「中庭の出来事」のスピンオフ「弁明」、台湾ものの「台北小夜曲」と「火星の運河」もノスタルジック(かつては恩田さんを表するのにみんな使ってたキーワード)。ブローディガン・トリビュートの「東京の日記」はSTAY HOME時期と妙にシンクロしてちょっと怖いなあ。親本は初出がついてたのに文庫では割愛。表紙もきれいな写真がトリミングされて余計なイラスト付き。この余計なイラストは「夜ピク」の好みではない文庫版表紙を思い出して萎えます。
24115■小隊 / 砂川文次(文藝春秋)
ブラックボックス」で芥川賞を取った元自衛官の砂川さんによる軍事もの。ロシアが道東に進行してきて舞台が釧路となる話。エンタメではないので、現場のリアルな混乱感、主人公の若き小隊長の苦悩が伝わってくる中編でした。
24116~24124■海街Diary①~⑨ / 吉田秋生(小学館)
たまに読み返したくなる「海街Diary」。大体がハードな読書の後の余波で狂った体内時計を直す効果があるのですが、いい出物があったのでオクで落としました。コミックほとんど読まないけど吉田秋生は別です。