Another Days

tomorrow's another day、some say …

ウィングス、ホワイトスネイク

【月曜はじっくりきこう】Red Rose Speedway / Paul McCartney & Wings('72)

ウィングスのセカンドとなった「Red Rose Seedway」が当初2枚組として予定されてた話は有名です。19年にアーカイヴ・コレクションが出た時にDisc2がこのフォーマットでした。パーティー色の濃いノリ勝負の”Night Out”(未発表曲)で始まり、”Get On The Right Thing”(「Ram」でレコーディングされてたものでデイヴィッド・スピノザ(g)参加)を挟んで"Helen Wheels"のB面として出た”Country Dreamer”(日本のブラウンライスがポールの未発表曲を書き下ろしと言い張った)、そしてリリース・ヴァージョンではトップだった”Big Barn Bed”、”My Love”と続きます。後者のヘンリー・マカロックのgソロがレココレ誌でも高い評価だったのもちょっと驚きでした。ここまでがA面。

B面はポールのpianoで始まる”Martha My Dear”的な”Singel Pigeon”、まさにポール的なメロディのミディアム調”When The Night”と続き、リンダが歌う”Seaside Woman”(スージー&ザ・レッド・ストライプス名義で77年にシングル化)、デニー・レインが歌う”I Lie Around”(”Live And Let Die”のB面でした)に続いて”My Love”のB面にも入った”The Mess”のコペンハーゲンではなくハーグでのライヴ・ヴァージョンで終わりです。

C面は完全未発表曲”Best Friend”のアントワープでのライヴから始まります。オールドスタイルのロックンロール。そしてポール・リヴィアの”Indian Reservasion”を思い出す”Loup”、”Hold Me Tight”に始まる4曲メドレーはやはり「Abbey Road」のメドレーとジェームズ・テイラーの「One Man Dog」のメドレーを思い出さずにはいられないでしょう。ムードはだいぶ違うんですが、BPMは共通。

D面はアコースティックな”Mama’s Little Girl"、デニー・レインが後年「Japanese Tears」に入れるカントリーっぽい”I Would Only Smile”と2つの未発表曲が来て、これまたオールドタイミーな”One More Kiss”でこれもまた別のカントリー風gが楽しめます。そして唯一のカヴァー(トーマス・ウェイン)の”Tragedy”が入って、デニーからポールへと歌い継がれるアコースティックなバラード”Little Ram Dragonfly”でおしまい。意外とアコースティックな曲、オールドタイミーな曲が多く、1枚ものとは違う印象も受けます。

https://www.youtube.com/watch?v=9VtIHPSZcPc

 

【名曲リレー1845】fool#2

■Fool For Your Loving / Whitesnake('80)

ホワイトスネイクとなって3枚目にあたる「Ready An Willin」からの先行シングルで全英#13まであがったヒット曲です。イアン・ペイスが加わって最初のスタジオ盤でした。実際ニール・マレイとペイスのリズム隊がこの曲を支えてることがわかります。”Come On”や”Walking In The Shadow Of The Blues”の流れを組むイントロ、歌とgソロをしっかり聞かせる古き良きハードロックの形を継承した作りで聞かせます。成功にはヴィジュアル面も必要と悟ったのかカヴァーディルもシェイプアップして髪型もロバート・プラントあたりを手本にした感じです。このあたりまでが個人的にホワイトスネイクのピークだと思ってます。

https://www.youtube.com/watch?v=WtznhhKOW5k

【先週の読書】

21162■有頂天家族・二代目の帰朝 / 森見登美彦(幻冬舎文庫)
去年読んだ「熱帯」で開眼してモリミーを毎月読んでましたが、結局この1年で11冊読みました。最初の四畳半とこの有頂天家族の正続、そして「恋文の技術」に楽しませてもらいました。アニメとか一切知らないんですが、この狸の話は結構ツボにはまりました(2117)。
21163■いつの空にも星が出ていた / 佐藤多佳子講談社
ベイスターズファンの作者らしい、横浜とハマスタベイスターズに捧げられたような短編集。どれも主人公はベイファンで、チーム愛に溢れています。重松清的なテイストにあふれてるなあと感じました。ただしさんのようなベイスターズファンが読めばもっと楽しいかも。(2020)。
21164■秋霧 / 大倉崇裕祥伝社
このシリーズはお友だちのおススメでした。やっと2冊目。最初の数ページで引きこまれて一気読みでした。人が簡単に死に過ぎるとか、殺される側の匿名性とか気になる点はありますが面白かった。冬編はいつになるかわかりませんが読みたいです(2017)。
結局去年は164冊とかなり健闘でした。
やはり一発目はこの方の作品から始めたいと思いますと、恩田さんのデビュー作にしました。新潮社の「ファンタジー・ノベル大賞」の最終選考に入ったもので、「新潮文庫ファンタジー・ノベル」という短命に終わった叢書から最初に出ました。地方の歴史ある公立高校に古くから伝わる伝説をモチーフにしたホラーとも青春ものともいえる作品で、「いつの時代もある高校生の鬱屈した思い」を盛り込んでいます。吉田秋生さんの「吉祥天女」っぽいムードもありました。ちなみに文庫→ハードカバー→文庫という数奇な経緯があるこの作品。2回目の文庫化(画像)のきっかけは、NHKでのドラマ化がきっかけだったのだそう 
ところで最大の謎はなんで「小夜子」という漢字なのか?という事なんですが…(1992)。