Another Days

tomorrow's another day、some say …

ビブラ、チャップマン

【月曜和もの80's】Soul Life / 近田春夫ビブラストーンズ('81)

キャリアはGS末期にさかのぼる近田春夫のハルヲフォンに続くユニットが、ビブラストーンず。歌謡曲に造詣が深く、オールナイト・ニッポンでも郷ひろみをかけまくってたという印象がありますが、意識した下世話な歌謡ロックが妙にカッコイイ。福岡ユタカ窪田晴男という後にPINKの面々を加えたデビュー作が「ミッドナイト・ピアニスト」で、そのまま平山みきを復活させた「鬼ヶ島」のバックを担当した事は当時大いに話題になりました。

https://www.youtube.com/watch?v=yLQOLztgop4

 

 

 

 

【名曲リレー2654】fast#2

■Fast Car / Tracy Chapman(’88)

80’sの半ばスザンヌ・ヴェガの登場でネオ・フォーク・リヴァイヴァルと呼ばれるフォーキーなsswの台頭がありました。サウンド志向になってポップロックAOR~ニュー・ウェイヴに飲み込まれてしまったsswたちが原点に返って歌うべきことがある人たちがブレイクしたのです。貧困から抜け出すためにあんたの速い車でここから連れ出してよ、と歌われるトレイシー・チャップマンの“Fast Car”もそうで、差別、暴力といったテーマを声高く歌うのではなく一歩引いた感じで訴えるシンプルなもの。MTV時代にアコギを持った黒人sswの存在は新鮮でした。ネルソン・マンデーラ支援コンサートに出演して大いに名前を売りました。

https://www.youtube.com/watch?v=teZsA_ci-7E

 

先週の読書】
24048■黄金の血脈-慶長太平記天の巻
24049■彷徨える黄金-慶長太平記地の巻
24050■黄金郷伝説-慶長太平記人の巻 / 半村良(祥伝社)
 関ヶ原の戦いで西軍の大谷氏について生き延びた牢人、鈴波友右衛門はひょんなことから真田衆の豊臣氏起死回生の密命を帯びて織田の血を引く少年三四郎会津まで送ることになる~という3巻にわたる時代小説大作。それほどの伝奇色はなく荒唐無稽な感じはありません。元々天の巻が78年に出て、続きが雑誌連載だったものが中途になっていて再編集したうえ98年に完結したものとか。作品数が莫大な筆者ならではのエピソードです。
24051■薔薇の中の蛇 / 恩田陸講談社
先日読んだ水野理瀬シリーズの短編集の中で理瀬とアリス・レミントンの出会いを描いたもの(絵のない絵本)がありましたが、親しくなった二人がレミントン一家のパーティーに呼ばれる話です。理瀬は、明確にされませんが、軍事産業にからむ一家の出身で、ウィルス・ハンターシリーズの登場人物であるアリスの一家も武器商人であったことが明らかにされ、そうしたきな臭い陰謀(例によってヨハン登場)とバラバラ死体の本格ものが一緒になった内容です。舞台になっているソールズベリー周辺というとストーンサークルの遺跡が有名ですが英国陸軍基地もあるのです(ユーライア・ヒープの「Salisbury」というアルバムジャケが戦車なのはそういうわけ)。語り手は理瀬ではないので今までのシリーズとはちょっとタッチが違いますが…