【オムニバスを聞く日曜】71・Steal This Movie(Artemis:7810382-US'00)
結局日本公開されなかったらしい映画「Steal This Movie」('00)は反戦活動家としても知られた、アビー・ホフマンを主人公にしたロバート・グリーンウォルド監督作品。サントラには、60'sの名曲をヴェテラン勢や現代の若手がリメイクしたカヴァーばかりが並んでいてなかなか楽しい。一番の出来は、ティモシー・シュミットがCSN&Yを完コピした"Carry On"ですが、ジャクソン・ブラウンとジョーン・オズボーンのデュエットになる"My Back Pages"もいい。カントリー系のssw、メアリー・チェピン・カーペンターの"Mellow Yellow"は、ドノヴァンのカヴァーで、ジョン・ジェニングスのワウをきかせたgとMCCの低音のvoがいい(動画がないのが惜しい)。但しこの人は基本的にカントリーシンガーなので、他の作品を買ってみたけど、やはり僕には苦手だった(^^;余談ながら同名の清涼飲料水があったけど、マウンテン・デューと同じ味でした。
ティモシー・シュミットによるCSN&Yの”Carry On”はvoパートは一人でレコーディングされたまさにコーラスの達人的な素晴らしい出来。当時はスキモノたちの間で大いに盛り上がりました。
https://www.youtube.com/watch?v=gI_r6o-gowE
ボニー・レイットによるディランの"It's All Over Baby Blue"のカヴァー。
https://www.youtube.com/watch?v=wOVeoIDE9f4
スティーヴ・アールとシェリル・クロウによる”Time Has Come Today”。もちろんチェンバーズ・ブラザーズのカヴァーでcowbellソングです。
https://www.youtube.com/watch?v=lX_3EEVFtoY
【名曲リレー2569】can’t#3
■Can’t Keep A Good Band Down / Uriah Heep(’76)
一般的には迷走期とされる「High And Mighty」(‘76)はジョン・ウェットンが加わったものの英国内でヒットしただけでアメリカでは大きくセールスを落とした前作の二の舞にならぬようケン・ヘンズレイが以前のようにアメリカナイズした音に寄ったらもっと売れなくなってしまったという1枚。もちろん様式的なハードロックの観点からの話で76年と言えばヴェテラン・バンドが様々な方向転換を強いられていた時期だけに、結果論だけ言われても困るだろうに。このキャッチーな“Can’t Keep A Good Band Down”はヘンズレーらしいシンセの使い方が面白いナンバー。僕は好きですが、ただデイヴィッド・バイロンはこの後解雇されるのですが。
https://www.youtube.com/watch?v=xbadjB8NRug
ただいまのBGMはママス&パパスの「If You Can Believe Your Eyes and Ears」(’66)なり。バリー・マクガイアのバックでコーラスやってた4人組のデビュー作。Dunhillレーベルらしいフォークロック風味でもあります。有名な”A California Dreaming”もいいが、”Monday Monday”も。狭いバスタブで4人一緒になったジャケもミッシェルの長い脚が映えます。4人のvoが出たり入ったりするあたりがこのグループの魅力ですね。
「Mystery To Me」('73)はジャケが変ですけどボブ・ウエルチ時期のフリートウッド・マックとしてはかなりのクオリティを誇ってます。しかしボブ・ウエストンとジェニー・フリートウッドの浮気がばれウエストンがクビになったり、クリスティンとprodのマーティン・バーチの不倫問題が深刻になったりといろんな問題をはらみつつ、ツアーが中止になり負債を返すためにより過酷な条件が課せられるというバンドを取り巻くムードは悪くなる一方でした。とはいえMidnight Specialでの”Miles Away”なかなかカッコイイ。ボブ・ウエルチのメガネが何度も下がってくる奴です。
https://www.youtube.com/watch?v=3za5HwkfuVQ