Another Days

tomorrow's another day、some say …

エアーズ、フォアマン

【ケヴィン・エアーズの30曲+】17・Waltz For You('78)

”Whatevershebringswesing”に似たメロディーの”Waltz For You”はオリーの弾くスライドがブルージー。拠点をスペインのイビザ島に移し、たまに帰英するようになったエアーズらしいレイドバックした感じがうまく出ています。78年というとニュー・ウェイヴ世代のアーティストが席巻していましたが、ヴェテランならではの味わいを見せます。ただ日本ではプログレのイメージが強かったエアーズなんでこの路線では、当時の日本では無理だったのでしょうけど。「Rainbow Takeaway」から。

https://www.youtube.com/watch?v=et2zhQt6NNw

 

【名曲リレー2219】child#3

■Dream Of A Child / David Forman(‘76)

Sswデイヴィッド・フォアマンの魅力を語るのは難しい。ブリル・ビルディングス系のショー・ビズ的な匂いを感じるアレンジですが、シンプルなpianoの弾き語りながら心打つメロディーです。パイドの長門さん企画でBMGからのCD化で何も知らずに買ったのですがポップス・マインドに溢れるこのアルバムはとてもいい。その1曲目“Dream Of A Child”は、“少年時代のアイドルはフィリップ・マーロウだった~で始まる曲で、もう一つの“Celluloid Heroes”であり“Disney Girls”であるノスタルジックな詩の世界観も素敵です。

https://www.youtube.com/watch?v=g30RzkCFvtw

 

【名曲リレー2220】dream#2

■Lovin‘ Good Dream / Rory Block(’76)

現在は女性ブルーズgtrとして名高いロリー・ブロックがRCAからのデビュー作に続いてBlue Gooseから出したセカンド「I’m In  Love」は、ブルーズというよりもコンテンポラリーなブルー・アイド・ソウルの1枚。恋することの高揚感を歌った素晴らしいタイトル曲の入ったA面とオールド・ファッションなブルージーなB面はいささか趣が違いますが。“Lovin‘ Good Dream”はシンプルなpianoの弾き語りでゴスペル的なムードも醸し出す1曲。A面のラストに入ってました。このアルバムのポスターが80’sのパイド・パイパー・ハウスに貼ってあったことを覚えてます。

https://www.youtube.com/watch?v=cc_ZdTWni8g

 

【先週の読書】

実は初期ミヤベ作品には未読のものがありまして…これも。デビュー長編です。元警察犬で探偵事務所に飼われてる「マサ」の視点で語られる話。ミヤベさんの作風はデビュー当時から変わってないことがわかります。後年の傑作群と比べてはいけませんが、ひどく懐かしい思い。もちろん直接の面識はありませんが、錦糸町で勤務してた頃、ミヤベさんの近しい方に知り合いがおりまして、まだ専業作家でない頃ですが、噂は聞いておりましたので、あの頃からすごく親しみを感じてたことを思い出しました(1989)。
23025■軍靴の響き / 半村良(角川文庫)
急速に右翼化する国家に対する警鐘ともいえる作品がほぼ50年前に書かれてた事に驚きですが、ここで描かれたクーデター後徴兵制度が復活する話は、昔以上ににリアルに感じます。連作集で、最初の”朝の靴”がインパクト大。荒唐無稽な伝奇SFだけでの作家ではないのです(もちろん人情ものもいい)。先日オクで落としたジャンクものから。奥付は78年ですので杉本一文画伯のインパクトある表紙です(1972)
最近は時代小説しか書いてないらしいですが、久しぶりに読むシミタツさん。検索してみるとこちらではみほコーラさんがよく取り上げてましたね。抑えに抑えた文体の美学を感じさせる短編集。どれも人生の下り坂で、なにやら色々なしがらみを抱えた男たちが主人公で、最後の一行でハッとさせられます。個人的には「パイプ」「あかねの客」がよかった。ちなみに男坂とは「二つある坂のうち急な方」を指すのだとか(2003)。
23027■英雄伝説 / 半村良(角川文庫)
伝説シリーズ(といってもタイトルに伝説がついてるだけで何の関連もない)第2作。今回は製薬会社の新薬、新種のユリ、料理がおいしくなる謎の粉末、古代神社などが絡む話ですが、広告代理店の営業マンを主人公にした企業小説にもなっていて、トンデモ話度がやや下がってます。しかしこの旧角川文庫の表紙ではなかなか手に取れないなあ(^^)(1973)