Another Days

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エアーズ。ジャガーズ

【ケヴィン・エアーズの30曲+】8・Carribean Moon('73)

ノン・アルバム曲のシングル”Carribean Moon”は、南の島好きのエアーズらしいお気楽なトロピカルもので、プログレなイメージはほとんどありません。この時期エアーズのバックは747というバンドで、アーチー・リゲット(b)、フレディ・スミス(ds)、ヘンリー・クローラン(kb)、元クィヴァーのカル・バチェラー(g)らが参加していました。

 

【名曲リレー2156】what#2

■What A Bummer / The Jaggerz(’70)

ピッツバーグ出身のジャガーズはKama Sutraレーベルのロックンロール・バンドで70年に“The Rapper”のヒット(#32)で知られています。“What A Bammer”も70年に出たシングルでこっちは88位まで上がっています。ちょっと古いタイプのロックンロールなのがこのレーベルらしい。ドニー・アイリス(g,vo)はワイルド・チェリーに参加したのち80'sにはソロになり“Love Is Like A Rock”をヒットさせました。

https://www.youtube.com/watch?v=lJ9AV-x19ac

 

【先週の読書】

22136■復活の日 / 小松左京(ハルキ文庫)
前に読んだのはコロナ前でしたから、今読むとなんかひしひし感じるものが違います。最初に接したのは草刈正雄オリヴィア・ハッセー主演の角川映画でした。あれもすごかったけどこの原作もよく出来てると思います(1964)。

22137■センセイの鞄 / 川上弘美(文春文庫)

大昔キョンキョンがツキコだったドラマを見たことある(センセイは柄本明だったか)けど、ちゃんとした形で読むのは初。高校時代の恩師センセイと飲み屋で再会したあとのゆったりと時間が流れるツキコの日々。最後がちょっと泣かせます(2001)

22138■戸村飯店青春100連発 / 瀬尾まいこ(文春文庫)

瀬尾さんにしてはハズレの方か(^^) 大阪を舞台に実家の中華屋を継ごうとする弟と実家から出たくて東京に出た兄の話。もともと児童文学なので、着地点があらかじめ決まってるのでしょうが、兄弟の事ばかりで、周りの人たちもうちょっと書きこんでもいいかなあ、と。ユーモラスでおもしろいのですが。

22139■幻想と怪奇① / 仁賀克雄編(ハヤカワ文庫NV)

ポケミス版が古典中心だったのに対し40's~60'sの主に米作家を中心にセレクトした昔の言い方で「モダン・ホラー」集。ぐっとSF寄りの作品から異常心理もの(この辺はこのジャンルに入れないでしょう。奇妙な味ならわかるが)まで多彩。相当久々の再読。好みなのはダーレスの”淋しい場所”、格調高いブラッドベリの”女”、星新一的なシュクリーの”夢売ります”、オーソドックスなグラッドウィンの”繭”、ブラックな味わいの”無料の土”(ボーモント)。”はやぶさの孤島”(クリストファー)は奇妙な味としてなら〇。

 

【ケヴィン・エアーズの30曲+】9・Didn’t Feel Lonely ’till I Thought Of You

Harvestから離れ新たにIslandと契約したエアーズの5thが「The Confession Of Dr.Dream~夢博士の告白」です。prodはエアーズが指名したルパート・ハインで、マイク・ジャイルズ(ds)、ニコ(vo)、オリー・ハルソール(g)らが参加したプログレファンにも人気の1枚。ただその出来にはあまり満足していなかったようです。激しいナンバーの"Didn't Feel Lonely 'till I Thoght Of You”。流れるように弾きまくるハルソールが素晴らしい。

 

【ケヴィン・エアーズの30曲+】10・Everybody'sSometime And Some People All The Time Blues

「夢博士」のタイトル曲はまあちょっと好みではないのですが、重要な曲であることは十分わかっております。このアルバムを引っ提げて74年6月にRainbow Theatreでニコ、ジョン・ケイル、イーノとのライヴを行いこの模様は「June 1 1974」というライヴ盤に入りましたが拡大ヴァージョンが待たれるものです。ここから「Dr Dream」に入ったブルージーな”Everybody's sometime and some people all the time blues”を。マイク・オールドフィールドがリードgを弾きます。この時のバックはソポリフィックスというオールスターバンドで、リゲット、エディ・スパロウ(ds)、ラビット・バンドリック(kb)にオールドフィールド、ロバート・ワイアットというものでした。

https://www.youtube.com/watch?v=Nbn8NDiUkS0

【ケヴィン・エアーズの30曲+】

”The Up Song”はやや雰囲気が違うので「夢博士」から漏れたのか、別のレコーディングなのか不明ですが74年にひっそりとリリースされてます。prodはノーマン・スミス

 

【ケヴィン・エアーズの30曲+】

74年にはノン・アルバムシングルの”After The Show”もリリースされています。牧歌的なムードは初期にも通じます。これは80's当時なかなか聞けなかったのですが、See For Milesから出た「Collection」というコンピに入ってて聞きたさに買いました。B面の弾き語り”Thank You Very Much”もLP未収録。ちなみに73年にクィーン・エリザベス・ホールでやったライヴが編集もの「Songs For Insane Times」(’)に入ってますがこの部分は<After The Show>というタイトルがついてました。

 

【ケヴィン・エアーズの30曲+】

75年にはオリー・ハルソールを共同prod(ここではオリー・ヘアカットとクレジット)にした「Sweet Deceiver」をリリース。同じマネージメントになったエルトン・ジョンの参加も話題になりましたが、何といってもタイトル曲でのハルソールのgソロがききものです。

 

【ケヴィン・エアーズの30曲+】

「Sweet Deceiver」の頃からエアーズ流AOR(当時そんな言葉はありませんでしたが)というか大人のssw的な作風になってゆくのですが(ジャケットは妖艶ですが)、”Toujours La Voyage”もその系統。エルトンのpianoをフィーチャーしています。このアルバムにはアイスランド出身のジャズ系kb奏者ジェイコブ・マグヌッセンやフレディ・スミス(ds)が参加。ライヴでは、ビッグ・ロール・バンド~アニマルズ~エリスのズート・マニー(kb)、ジェフ・ベック~メイ・ブリッツ~Tレックスのトニー・ニューマン(ds)、コチーズ~スモール・フェイシズのリック・ウィリス(b)にハルソールというラインナップだったようです。そのメンツによるパンキッシュな”Help Me”が次作「Mananas」に収録されます。