Another Days

tomorrow's another day、some say …

バーズ、ファンシー

【月曜はバーズの30曲】5・Mr.Spaceman

この曲を出したころ安易に「スペース・ロック」と言われたのはそういう題材の曲を歌っていたからで、音楽性とは全く関係ないです。軽快なメロディーが気持ちいい最高位36位のシングル。「Fifth Demension」から。

https://www.youtube.com/watch?v=3KFTm9vmZDI

 

【名曲リレー1925】something#3

■Something To Remember / Fancy(‘75)

キャット・スティーヴンスを見出したprodのマイク・ハーストが、トロッグスの"Wild Thing"を女性voでカヴァーするというアイディアを、旧知のレイ・フェンウィック(g)に依頼。先日訃報が伝えられたフェンウィックは、音楽ビジネスに必要なコネクションも持っていた元スペンサー・デイヴィス・グループの人。さっそくペントハウス誌のモデルだったヘレン・カントをvoにして74年に"Wild Thing"をカヴァー。イギリスでは不発でしたが、米Big Treeから出たシングルが#14まで上がるヒットとなり、思わぬうれしい誤算からLPのレコーディングが必要となりました。このレコーディングにあたりvoが、カントからアニー・カヴァナーに代わっています。セクシー・ブロンドに髭面という美女と野獣のコンセプトを打ち出した、アイディア先行のもので、グラム風、ファンク風、ディスコ風の曲もありますが、基本線はアニー嬢のvoを聞かせるためのポップロック。"Something To Remember"は、芸能界テイストの濃いポップ・チューンで、モ・フォスター(元アフィニティ)の堅実なbassプレイが印象的です。dsはジューダス・プリーストのオリジナル・メンバーのレス・ビンクス。

https://www.youtube.com/watch?v=KonGrb-Un3Y

【先週の読書】

22047■アンダードッグス / 長浦京(角川書店)
あまりの読みづらさに途中泣きを入れましたが、結局初志貫徹(^^) いやあ難産でした。話としては痛快な強奪アクションなんですが、舞台は返還前夜の香港で地名だの、人名だの、警官の役職だの、漢字にカタカナのルビが振られ読みにくいことこの上ない。途中でやめようかと何度も思ったのですが、費やした時間の事もあって結局読み通しましたし、不明な部分をもう一回読み直したのですが、通してみると読後感は悪くない。そういうのってありますよね。まあ「野生時代」連載というのが十分わかります。しかしここまで徹底した反米というのは珍しいですね。ところで冒頭の登場人物表は役に立たないんで自分で整理した方がいいです(2020)。
22048■エドガー賞全集(下) / ビル・プロジーニ編(ハヤカワミステリ文庫)
賞を取った短編ばかり集めたアンソロジー、悪いわけがない、と考えるのがフツーですがそうでもない。元々「ミステリマガジン」の記念号とかに載ったMWA賞受賞作を読んでもあんまりピンとくることなかったもんなあと思い出すのです。えらく時間かかった下巻は64~80年のアメリカ探偵作家クラブ最優秀短編賞受賞作品を集めたもの。ミステリの幅が広がったあげく、一風変わった作品にエドガー賞を与えるようになった70'sの作品はどれもイマイチ。元祖警察小説ということで名前が出てくるローレンス・トリートの「殺人のH」、シャーリー・ジャクソンの「悪の可能性」(これがベストでした)、壮大なほら話「世界を騙った男」(ウォーナー・ロウ)あたりがいい。繰り返すけど70'sの作品はなんかよくわからない。私製留置場を作った話(「留置場」(ジェシ・フォード)、心が病んでる主人公の手記みたいな話(「軒の下の雲」(バーバラ・オゥエンズ)と「恐ろしい叫びのような」(E・リーヴェス))など、当たり前すぎてどう受け止めていいかわからないのです(1983)。
 

ゴジラXメガギラス・G消滅作戦('00)雑感】

第3期のミレニアム・シリーズは、従来のゴジラシリーズと比べるとかなり柔軟な発想です。前作「ミレニアム」ではゴジラいた世界ははっきり示されませんでしたが、ゴジラ上陸を「災害」に見立てたのが新鮮でした。今回は「54年にゴジラが上陸して東京は壊滅的な被害を受け大阪に遷都された」(^^)という日本が舞台。この日本では、オキシジェン・デストロイヤーで倒されたわけではなく、66年に東海村原発を、96年に大阪を襲撃と過去3回ゴジラ上陸があり、96年の際、田中美里が上官を殺され、設立された対ゴジラ機関Gグラスパー隊長としてその復讐に燃えるという設定。よってほとんど笑うことなく硬派な演技でゴジラの背に乗り探知機を打ち込むシーンも。メガヌロン→メガニューラ→メガギラスという進化を遂げる古代の昆虫が時空の裂け目から登場した理由は明らかにされず、ハッタリ性の強い理由を付けて欲しかったなあ。チーマー、コギャル文化の時代だけあって舞台は渋谷(水没してしまいます)。星由里子が科学者役で出んしてオールドファン向けのサービスもありました。消滅したはずのゴジラの咆哮を少年が理科室で聞いてというラストは、「デストロイア」からまだそんなに時間たってないのに同じ手使う?って感じでした。かなり変化球の第24作。監督は手塚昌明