Another Days

tomorrow's another day、some say …

アル、レジナイ

【月曜はじっくり聞こう】Al Stewart@Paramount Theatre,Seattle,1976

「Years Of The Cat」45thヴァージョンは結局買いませんでしたが、サブスクで聞いてます。Disc2と3は76年10月29日のパラマウント・シアターでのライヴ。リリースされたばかりの「Cat」と「Past Present Future」「Modern Times」からの選曲でバランスがいいです。このあとのA Shot In The Darkを従えてのライヴはよくありますが、この時期のは聞くの初めて。メンバーはおなじみのアコギの名手ピーター・ホワイト(g,kb,vo)、後にクリトーンズを結成するマーク・ゴールデンバーグ(g,vo)、元バイザンティウムのロビン・ランブル(b,violin,vo)、元コースト・ロード・ドライヴで後にポコに参加するスティーヴ・チャップマン(ds)、元クォーターマス~サン・トレイダーのピート・ロビンソン(kb)。スノーウィー・ホワイトがg弾いてたのはもう少し前ですね。”Post World War II Blues"でのすさまじいスライドg(ゴールデンバーグ)が印象的です。”Year Of The Cat”のsaxが入らない(メンバーにいないから)ヴァージョン聞くのは初めてです。

Disc2
1 : APPLE CIDER RE-CONSTITUTION 
2 : THE DARK AND THE ROLLING SEA 
3 : ONE STAGE BEFORE
4 : SOHO (NEEDLESS TO SAY)
5 : NOT THE ONE 
6 : ON THE BORDER 
7 : BROADWAY HOTEL
8 : ROADS TO MOSCOW 
Disc3
1 : NOSTRADAMUS 
2 : SIRENS OF TITAN 
3 : THE POST WORLD WAR TWO BLUES
4 : YEAR OF THE CAT 
5 : SAND IN YOUR SHOES 
6 : CAROL
7 : IF IT DOESN'T COME NATURALLY, LEAVE IT 

 

フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)('65)雑感】

急速に子供向きに傾いていったゴジラシリーズとは別に、東宝が新たに米ベネディクト・プロと合作した特撮映画です。最初の企画は「キングコングフランケンシュタインの怪物」という話で、企画が次々と変わり「ガス人間対フランケンシュタイン」(!)で関沢新一が脚本を書いたところまで行ったそうですが、結局「フランケンシュタインゴジラ」の線で変更され、最終的にゴジラがバラゴンに置き換わったのだとか。第二次大戦中ドイツ軍で研究された永遠に生き続ける「フランケンシュタインの心臓」が広島で被爆して生まれた「フランケンシュタインの怪物」(いわゆるフランケンシュタインとはかなり趣が違います)が地底怪獣・バラゴンと戦うのが、本作。当時特撮界(なんだそれ!)で、「陽の関沢、陰の馬渕」と言われた馬渕薫が脚本を担当。いかにも暗い(しかも怖い)出来で、社会風俗も65年とは思えないくらい古いです。日米合作ということもあり、日本版と海外版(なぜか大ダコが出現、しかも富士山麓に!)ではエンディングが異なると言われたのですが、結局大ダコのシーンは海外公開版にもない別ヴァージョンなのだそう(ウィキより)。 今となっては笑いのシーンも多い(高島忠夫がダイナマイト投げるシーン(どう考えても届かない)とか、巨大イノシシのシーンとか)です。水野久美(妙に言葉遣いが丁寧)、ニック・アダムス、高島(冷酷なのか打算的なのかいいヤツなのかよくわかりません、フランケンシュタインの指を切り落とそうとするシーンで、その前にウィスキーを飲むシーンなど結構細かい)が大きな役。フランケンシュタインは体長20mという妙にリアル感な大きさが怖い理由でもありますし、意外と敏捷な動きのバラゴンが家畜を食するシーンを編集で見せます。夏休み公開でしたが、怪奇色の濃い怪獣映画子供たちは怖かったでしょうね。土屋嘉男は戦争中に広島でドイツから運ばれた「永遠に生き続ける心臓」を見て、秋田では油田開発中に地中で光る光線(バラゴン)を見て、後年、戦中に南方で恐竜を見る(「VSキングギドラ」)という役柄でおもしろい。白血病の少女を沢井桂子、ヒュッテの女子学生を高橋紀子が演じています。「三大怪獣」では出番もなかった自衛隊は今回も緊急配備についただけで消火活動以外何もしていません。

 

【名曲リレー1817】rock&roll#2
Behind A Rock & Roll Band / Reggie Knighton Band('78)
ジー・ナイトンはミシシッピ出身のgtrで、70'sの後期グラス・ルーツのメンバーだった人。そのあとジョン・セバスチャンの「Welcome Back」やそのつながりでジョン・リンド(元FAB)のホワイト・ホースのバックを経て独立。CBSから自身のバンドを率いてデビューしましたがセールス的には成功したとは言えませんでした。ハードタッチのポップロックでスターズとかパイパーとかあの辺に近いかも(CDがRock Candyから出てるんでそこら辺の音)。”Behind The Rock & Roll Band”もそういう手触りがあります。
【先週の読書】
21151■A Movie-大林信彦全自作を語る(立東社)
この分厚いボリュームの労作は、かなり細かいインタヴュー集。ちゃんと買わないとだめだなあと感じました。
21152■終業式 / 姫野カオルコ(角川文庫)
集中して同じ作家を読めないんで、好きになっても適度な間隔をあけて読むタイプなんですが、今年出会った作家さんでお気に入りになった一人に姫野さんがいます。ファンの方には何も今更でしょうが、高校時代の友人男女4人にかかわる人たちの手紙、FAXなどで構成された物語。「ののはな通信」(三浦しをん)は二人のやりとりでしたが、この話はもっと多岐にわたるので、いろいろ面白い。特に破ってしまったもの、出せなかった手紙の本音がね(1996)。
21153■ルーティーンズ / 長嶋有講談社
短い話が2つ。とりわけコロナ禍の日常ー保育園児がいる日常を描いた表題作、いつの日か注釈が必要となる、笑い話に感じる日々が来ることを切に願います(2021)。