Another Days

tomorrow's another day、some say …

ベイブ、ㇾプタイル兄弟

【月曜の女たち】ジェニー・ハーン
 
ベイブ・ルースというとバーニー・マースデンのいた後期ばかりを好んで一般的に評価の高い初期はあまり聞いてませんでした。管を入れたジャズロック風味のものもあれば、ヘヴィな曲調のものもあります。ジェニー・ハーンがへそ出しのラバースーツみたいなのを着て奇妙な体操を踊る”Gimme Some Legs”はヘヴィな曲で馬ジャケのセカンドに入ってました。リーダーのアラン・シャックロック(g)は、バンドを辞めてからprod畑へ進みジョーボクサーズやアラームを手掛けてました。
 
【名曲リレー1581】runaway#2
■Runaway / The Reptile Brothers
ジェファーソン・スターシップの傑作「Earth」のラストに入った”Runaway”はN・Q・デューイーの作者のクレジットがあって長年謎でしたが、マーティ・ベイリンがprodしたグルートゥナやボデイシャスDFのメンバーだったグレッグ・デューイー(ds)の兄弟のニコラス・デューイーらしく、70's後半に兄弟がやってたザ・レプタイル・ブラザーズの音源が08年に復刻されています。そちらに”Runaway”の作者ヴァージョンが入ってますが正直JSの素晴らしいヴァージョンには負けますが、まあ珍しいので貼っておこう。
 
【先週の読書】
 
21043■【新釈】走れメロス他四編 / 森見登美彦祥伝社
パスティーシュ(模作)でもないし、これはなんだろう。モリミーが太宰、芥川、鴎外、坂口安吾中島敦の作品の題材を借りて新たに書き下ろした連作集。腐れ大学生を主人公にしたおなじみの世界観で、この辺でもう飽きてくる人もあるでしょうが、僕は大丈夫。原典を知ってるのは”メロス”と”藪の中”だけですが、それよりも”山月記”、”百物語”がいい。とりわけ後者は「きつねのはなし」に入っててもおかしくない怪異なムードあります(2007)。
21044■からまる / 千早茜(角川書店)
この人も初読み。7人の男女が視点を変えてそれぞれの関係性を語る連作集なのですが、今まであまり好んで読まなかったような話で新鮮と言えば新鮮。次の作品を読もうかというのはちょっとビミョー(2011)。
21045■殺しの四人・仕掛人藤枝梅安 / 池波正太郎(講談社文庫)
何となくまた読みたくなって手を付けてしまったけど、5年ぶりの再読。池波作品読みかえすのは決まって梅安ものなのです。これはシリーズ第1作(1973)。
21046■11 / 津原奏水(河出文庫)
津原さんの作品は、「ヒッキー」、「ブラバン」と「クロニクル・アラウンド・ザ・クロック」のシリーズといくつかの短編を読んだだけなんですが、これは、幻想~SF~奇妙な味的な作品集です。硬い文章なので咀嚼するのに時間がかかります。有名な「五色の舟」は、太平洋戦争末期、未来を予言するという生き物「くだん」を買うために異形の一家が岩国に向かう話。これや「手」(シリーズ化を予定して書かれたけどそのままだったとか)、「追ってくる少年」「琥珀みがき」など心に染み入る話もあれば、何度読んでもわからない話もあり、作品は読者(とタイミング)を選ぶなあと感じます。現代SFはホントに幅広い設定なのだなあとも思いますし、やはりSFは苦手です(2011)。