Another Days

tomorrow's another day、some say …

松原、クーパー

【月曜の女たち】松原みき
 
再評価という話は数年前からありましたが、今では「シティ・ポップ」と言われる、70's後半から80'sにかけての洋楽的テイストを持った当時の言葉でいう「ニュー・ミュージック」を中心としたポップス、(正直シティ・ポップなんて言葉は昔の音源を2度以上買わせるために、レコード会社が作ったような言葉なので使いたくないんですが、「中流ポップ」みたいなニュアンスもありますね)が世界的に評価された流れでものすごくブレイクしてるそうです。特にこの”真夜中のドア”('79)。「夜ヒット」の動画でも2つあるので、そこそこプッシュがあったんでしょうね(最初のヴァージョンは緊張のあまりかなりボロボロ、このセカンド・ヴァージョンはカステラ・ムーンというバック・バンドがついてますが演出上ほとんど見えません)。キャロル・ベイヤー・セイガーの曲を下敷きの林哲司が書いたJ-AOR的なナンバーでもあります。「レッツゴー・ヤング」で松田聖子とデュエットしたヴァージョンもすごいです(松田聖子が歌うと”昼間のドア”に聞こえるというコメントも粋)。
 
【名曲リレー1574】moon#3
■Shoot For The Moon / Gary Kuper('71)
ウッドストック(地名)系のsswとして紹介されたこともありますがほとんど無名のゲイリー・クーパーの71年の唯一作「Shoot For The Moon」(Polydor)のタイトル曲。ヴァン・モリソンウッドストックで活動してた頃のジョン・プラタニア(g)やジェフ・レイブス(kb)が参加しています。弾き語りのこの曲は深く沁みるナンバー。CD化もされてるんで見つけたらぜひどうぞ。
 
【先週の読書】
今月のモリミーはこれ。正直山周賞、本屋大賞2位というのが出来過ぎだなあと思います。基本線は四畳半ものと同じ世界観で多少優しいテイストが加わってます。学園祭の第3章が好き。おなじみの酔うと顔をなめる歯科衛生士の羽貫さんと樋口師匠登場。表紙は中村佑介さんのイラストで、アニメ化もされました。ある意味このイメージが何となくモリミーの作品を手に取りにくくしてしまった気がします、個人的にはですが(2006)。
21041■火のないところに煙は / 芹沢央(新潮社)
別で書いたんで割愛
21042■機龍警察・火宅 / 月村了衛(早川書房)
タイプは全然違うけど大沢在昌の「新宿鮫」シリーズに近いものを感じる「機龍警察」シリーズ。つまり最高傑作という評判がつねにヴァージョン・アップするのです。第5作はスピン・オフともいえる短編集で、肩の力を抜いた感じがいい。濃密な4作を読んでからだと各キャラも浸透してるので、是非とも4作読んでから読んで欲しい作品です。設定はSF的ですが、根底にあるのは警察小説だと思います(2014)。