Another Days

tomorrow's another day、some say …

JG、ブロンデル

【金曜はジェームズ・ギャングの世界】#6 Passin’ Thru

新メンバーになって早くも2枚目のアルバムが72年10月にリリースされています。それが「Passin’Thru」で、前作よりもハードな試みの曲が少なくなっていて正直ハードロックファンには物足りない出来。前作から加わったロイ・ケナー(vo)とドミニク・トロイアーノ(g)がほとんどの曲を書いてるのですが、この2人にはハードロックの素養がああまりなく、むしろケナーのR&B志向がトロイアーノのファンキー志向と合い、Had Enough”(これがシングルでしたが不発)や”Up To Yourself”、”Everybody Needs A Hero”(マザーロードのウィリアム・スミスがファンキーなkbを聞かせます)のリズミック~ファンキー路線が新境地です。カリフォルニアとナッシュヴィル録音で、B面のソフト路線(=キャッチー&メロディアス路線)にナッシュヴィル由来のカントリーロック風味が加わります。伸びのあるgが聞きものの”Out Of Control”、バラードの”Driftin Girl”あたりはABCレーベルらしい路線で、ニュー・ダンヒルサウンドを狙ったのかもしれません(prodはバンド自身ですが、co-prodにキース・オルセンの名前が合ってオルセンの関与がポップ化の理由かもしれません)。”One Way Street”は数少ないハードな曲ですが、ファンキーな味付けもなされています。

トロイアーノはまもなく脱退。キャッチーでメロディアスな路線に舵を切りすぎた反省から新メンバーを加えた次のアルバムはハードロック回帰となりました。

 

【名曲リレー1922】air#2

■A Spring Air / Amazing Blondel(’72)

アメイジング・ブロンデルは中世の楽器を使ったフォークロックというユニークなスタイルのバンドです。当時の楽器を使っての中世音楽のリヴァイヴァリストというわけではなく現代的な感覚を取り入れてもいます。IslandからDJMに移ってからは特にその傾向が強いかも。Island時代の代表作「England」に入った“A Spring Air”はのどかで上品ないにしえの宮廷音楽のエッセンスが伝わってきます。

https://www.youtube.com/watch?v=LBVuJE77b54