Another Days

tomorrow's another day、some say …

ロックフォリ、サヴォイ

【月曜の女たち】ロック・フォリーズ
 
「ロック・フォリーズ(Rock Follies)」は76~77年にイギリスでOAされたミュージカル風TVドラマで、ここから登場した3人組女性トリオの名前でもあります。ルーラ・レンスカ、シャーロット・コーンウェル、ジュリー・コヴィントンの3人で、皆歌える女優。ロキシー・ミュージックのアンディ・マッケイがprodした2枚のLP(IslandとPolydorからリリース)はイギリスで大ヒットしました。この辺は当時のシーンを知らないとなかなかわからないのですが、グラムロックとパンクを結ぶ部分につながります。数日前シャーロット・コーンウェル(大体向かって一番右の人)の死亡が伝えられました。
 
【名曲リレー1504】talking#3
■Street Corner Talking / Savoy Brown(’71)
前作「Looking In」の後キム・シモンズ以外の3人がフォガット結成の為抜けてしまい瀕死同然だったサヴォイ・ブラウンは、チキンシャックからアンディ・シルヴェスター(b)、ポール・レイモンド(kb)、デイヴ・ビドウェル(ds)を、アイドル・レースのデイヴ・ウォーカー(vo)を加え「Street Corner Talking」で復活(しかし3人抜けたら、別のところから3人引き抜くという手腕もすごい)。ややスワンプ風味も加えたブルーズ・ロックを展開しています。アルバムジャケットのカラフルなイラストも素敵。
 
【先週の読書】
21009■ケンタウロス / A・ブラックウッド(月刊ペン社)
ブラックウッドという人は20世紀のイギリスの怪奇・幻想小説の大家で、最近は熱心なファンによる旧作の翻訳も進んでいます。本領は短編作家だと思うのですが、未読だった「ケンタウロス」は堂々たる長編(かつてファンタジーがまだ児童文学の1ジャンルとしかみなされてなかった頃、ファンのよりどころだった月刊ペン社の妖精文庫から出版されました)。かなり難解な観念的な小説ではあります。
ざっくり書くと、心のうちに何か原始的なものを抱えこの現代に居場所がないと感じていた孤独な青年が、マルセイユコーカサス地方行客船で、実際の体以上に「巨大さ」をイメージさせるロシア人男性に出会い、同族として同じような匂いを感じ強く惹かれます。精神科医でもある友人のドイツ人船医は、その男には気を付けるように忠告を受けるのですが、青年は下船後、コーカサス地方の山岳地帯でそのロシア人に出会い精神感応してゆく…
という話。面白いかどうかは別にして40年近く前から気にはなってた作品をヤフオクで落として読了した次第。なんか一区切りついた気分です。(1976)
21010■土曜日は灰色の馬 / 恩田陸晶文社
晶文社のHPに連載された原稿に、文庫の解説、書評など、書物(少女漫画含む)や映像作品に関するエッセイをまとめたもの。いわば恩田さんの得意ジャンルに関するエッセイなのですが、個々のものはともかく、こうしてまとまった形で読むと意外と面白くないのは、個々の対象となる作品をすぐに思い出せないからという部分もあります。だから決まった者を対象としていない冒頭の”硝子越しに囁く”の素晴らしさが引き立ちます。