Another Days

tomorrow's another day、some say …

カウジャン、フィールズ

【月曜の女たち】マーゴ・ティミンズ(Margo Timmins)
88年の「Trinity Session」で注目されたカウボーイ・ジャンキーズ。僕はそのアルバムしか聞いたことないんですが、このニール・ヤングのカヴァー”Powerfinger”は、16年の動画です。当時も若いのに枯れた感じありましたが、今ではリアル枯れ感が板についてます。fiddleとの相性もいいです。
 
【名曲リレー1374】to#2
■Put Out To Grass / Fields('15)
 
レア・バードのグラハム・フィールドのフィールズが72年の録音されてオクラ入りになってたセカンドが15年に出てたことも知らなかった最近の再発事情にウトい私です。dsが元クリムゾンのアンディ・マカロック、bとvoがアラン・バリーというELPスタイルの編成でめくるめくテクニックというよりはどっちかというと素朴な感じが楽しいバンドでした。この「Contrasts:Urban Roar To Country Peace」からの”Put Out To Grass”はテンポの速いオルガンとリズム隊の絡みが心地いいのです。
 
【先週の読書】9月第2週
クロニクル的な大作も好きですが、「国境の南」のようなストレンジな味わいのハルキ作品も好き。これもその系統です。真夜中から夜明けまで、知らないだけであちこちで様々な「葛藤」(もしくは「こぜりあい」)があったのだなあ... システムについて説明されないけどそれはそれでいいのです。
・夜の夢見の川~12の奇妙な物語 / 中村融編(創元推理文庫)
「奇妙な味」と言われる作風(ジャンルではなく傾向だ、としばしばいわれますがちょっとわかりにくい、ですよね)があります。ストンと落ちた明解なオチでなく、もやもやする味わい。口の中でなんか変な味がする、答えを求めて何度も読み返してしまう、そんな感じでしょうか。これは「街角の書店」に続くアンソロジー第2弾で、比較的最近の作家の作品中心です。SF畑のスタージョン、ケイト・ウィルヘルム、P・J・ファーマーなど知ってる名前もありますが、大半は初見。キット・リードの「お待ち」、ブライアントの「ハイウェイ漂泊」(恩田陸的味わいも)、エイクマンの「剣」そしてワグナーの表題作がよかった。いずれにせよ、モヤモヤします。
・桜ほうさら(上・下) / 宮部みゆき(PHP文芸文庫)
「きたきた」の予習に、と久々の「ほうさら」。宮部さんの時代ものは多いけどひょっとしたら一番好きかもしれません。市井ものであり武家の世界を描いた作品であり、ミステリでもあります。三木謙次さんのイラストによる部分も大きいかもしれないんですが。
東京湾景 / 吉田修一(新潮社)
その昔月9枠でドラマ化され全く別のものになってしまっていたやつです。情念というか狂気というか、恋愛に直情型のキャラが出てくるのも吉田さんらしいが、ちょっとイマイチでした。舞台となってるエリアがなじみないということもありますが…