【火曜はスプーキーな人たち】７・The Last Puff / Spooky Tooth('70)
ライト、レイが抜け残ったメンバーで契約のためにもう1枚「The Last Puff」('70)をリリース。ハリスン、ケリー、グロヴナーの3人にサポートとしてグリース・バンドのクリス・ステイントン(kb)、ヘンリー・マカロック(g)、アラン・スペナー(b)を加え、ビートルズ、エルトン、ジョー・コッカーらのカヴァーで構成された寄せ集め感ある1枚。前作で全く違う方向へ行きましたが少し戻ってきた感じ。クレジットはスプーキー・トゥース・フィーチャリング・マイク・ハリスンのクレジット。タイトル曲はステイントン作のR&B~ゴスペル的なインストで、これまたまったくスプーキーズらしくはないのですがまあいい演奏。
https://www.youtube.com/watch?v=NsYSaNYYeZY
【名曲リレー2711】paper#3
■Paper Sun / The Murmaids(’68)
トラフィックのインドっぽいデビューシングルを60’sガールズのマーメイズ(“恋のドライヴイン”で知られるあれ)がカヴァーした珍品。68年なんでこの時期まで活動してた事もびっくりでしたが、スカスカでヘナヘナなあの曲がちゃんとサイケ風ガールズ曲になってるのが不思議。バナナラマみたいに聞こえもします
https://www.youtube.com/watch?v=iALv3rhR4t0
「Puff」を出した後ツアーの契約をこなすためにルネッサンスのジョン・ホークン(kb)、ブルーズブレイカーズのスティーヴ・トンプソン(b)を加えて70年春のツアーをやって解散しています。
解散後ハリソンはVIP's時代の仲間フランク・ケニヨン(g)、ケヴィン・アイヴァーソン(ds)、ピート・ベイトリー(b)、イアン・ハーバート(g,kb)と新バンドを結成し「Mike Harrison」を71年にリリースしています。”Lonely People”は、ゴスペルやR&Bっぽいけどまぎれもなく英ロックの手触り。セカンドソロはマッスル・ショールズ録音でジム・キャパルディと同時期に同地に渡ったようです。
https://www.youtube.com/watch?v=XUhoN37zCL0
スプーキー時代からセッションの数をこなしていたマイク・ケリー(ds)はバーミンガム出身で地元のコネクションでスティーヴ・ギボンズやデニー・レインのボールズを始め、スリー・マン・アーミー、ジム・キャパルディ、ピーター・フランプトン、パット・トラヴァースからパンクのオンリー・ワンズまで幅広く活動。ピーター・ペレット(vo)のルー・リードへの傾倒ぶりも痛快だったオンリー・ワンズに加わったケリーはずいぶん年上のメンバーでストラングラーズのジェット・ブラックみたいなもんだったのかな。”Another Girl Another Planet”('78)はなかなかカッコイイ、メジャー・デビュー曲。
https://www.youtube.com/watch?v=OZgjsZOdmeA
ルーサー・グロヴナー(g)は71年のソロ「Under Open Skies」をリリース。フォークロックな部分がルーツにあることが分かる地味ながら名盤でした。その後エアリエル・ベンダーの名で(付けたのはリンジー・ディ・ポールだとか)、ミック・ラルフスの後任としてモット・ザ・フープルに参加後、スティーヴ・エリス(vo)のB級オールスター・バンド、ウィドウメイカーに参加。ホークウィンドのヒュー・ラングトンと共にリードｇをこなす泥くさいハードロックとして時代に逆行しながら健闘（ちなみにbassは後にレインボウのボブ・デイズレー）。76年のOGWTでの動画は"Ain't Telling You Nothing"
でベンダーはまんまグラムロックの雰囲気を引きずってるのが面白い。ラングトンが意外にもナイスなスライドを多用。
https://www.youtube.com/watch?v=uTd2OQWg-yc
リドレーの後任として加わったアンディ・レイはマシューズ・サザン・カンフォートにいたフォークロック系の人で「Ceremony」のあとのゴタゴタで脱退しますが同時期にブロッサム・トゥズのメンバーをバックにソロ「Magician」をリリース。いつも貼る曲ですがメロトロンも入ったサイケの香りを残した”Get Myself Together”はこのソロの中では異色で他の曲はもっとフォーク風。イアン・マシューズがバンドの権利など譲り渡す形でスタートした新生サザン・カンフォートにも参加し3枚のLPをHarvestに残しています。
