【オムニバスを聴く日曜】39・Nuggets~Original Artyfacts From The First Psychdelic Era1965-68(Elektra:7E2006-US'72)
60'sのサイケデリック~ガレージバンドのいくつかはローカルヒットを飛ばしていましたが70'sに入るとすっかり忘れ去られた存在になってました。72年に後にパティ・スミス・グループでロック評論家のレニー・ケイが編纂したこの2枚組オムニバスは、こうした有名米サイケを集めた古典ともいえるもの。僕は80'sに出た「ウエスト・コースト音楽百科」という本のコラムで知ったのですが自分にはあまりカンケーないものと思ってました。その何年か後Rhinoがこの2枚組を解体し拡大ヴァージョンをシリーズ化して出し始めた頃ハマったのですが、エレクトリック・プルーンズ、スタンデルズ、シャドウズ・オブ・ザ・ナイト、ニッカボッカーズ、ミュージック・マシーンなど知名度の高いガレージ・バンドを収録。元祖パンクとも、元祖アメハーとも取れるこうしたファズgの嵐にハマってた頃東京の三多摩地区でネオGSというムーヴメントが起こり個人的にリンクしてゆくのでした。
カントリー・ロックのリオ・グランデにもつながってゆくマウス&ザ・トラップスの”A Public Excution”は、ディランの”Like A Rolling Stone”に影響を受けたフォークロックです。
デトロイト周辺のガレージ・パンク群がアメリカン・ハード・ロックのルーツの一つである話はよくしていますが、彼らがリスペクトしたのがアニマルズやヤードバーズやゼムというのが面白い。シャドウズ・オブ・ザ・ナイトはゼムよりも”Gloria”をアメリカでヒットさせていますが、ここでは”Oh Yeah”を収録
ヴィム・ヴェンダーズ監督の「都会のアリス」だったかで、カウント・ファイヴの”Psycotic Reaction”が突然かかったシーンはびっくりしました。早急なファズgとハーモニカが印象的なナンバー
ガレージバンドばかりでなくサジタリアスのようなサイケ調ソフトロックも入ってるのがこのコンピの魅力でした。英アイヴィー・リーグのカヴァーの”My World Fell Down”です。
【名曲リレー2338】family#2
■Family Man / Mike Oldfield(’82)
マイク。オールドフィールドのたった一度の来日公演が行われたのはこの「Five Miles Out」('82)が出た頃だった気がします。大作と小品が混在する1枚で、まさかの"Family Man"がホール&オーツによってカヴァーされアメリカでヒットするとは想像もつきませんでしたが、ケイドゥー・ベルのvoだったマギー・ライリーの起用は大成功で、後に"Moonlight Shadow"と言う名曲を生むことになるのです。この"Family Man"でのひきつったようなマイクのgが印象的です。