Another Days

tomorrow's another day、some say …

エアーズ、カーリー

【ケヴィン・エアーズの30曲+】23・Stepping Out('86)

vibeが聞こえて楽しいが、これはエンジニアのポリ・パーマー(元ファミリー)がフェアライトにプログラミングしたものらしい(どうせならファミリーでvibeたたいてたパーマーが叩けばいいと思うですが、予算の問題なんでしょうね)。「As Close As You Think」からのシングルで、これはアルバム・ヴァージョンとのこと。言われてるほど悪くないです。ただ同時期のロバート・ワイアットとはずいぶん差がついた(そういう比較は意味ないことわかってますが)ようにも感じる僕を少し恥じます。

https://www.youtube.com/watch?v=zVxd0BJ1M_A

 

 

 

 

【名曲リレー2261】to#3

■You Belong To Me / Carly Simon(’78)

全盛期の70’s~80’sに来日がなかった(JTの初来日に同行してアンコールで出てきた程度)せいでカーリー・サイモンの人気は日本では比べ物にならないほど低いです。華やかな話題はありましたので知名度はありましたが。元々フォーキーな音楽をやってて70’sのポップロックに染まって洗練された音になってゆくのですが、「Boys In The Trees」(’78)では、NYのセッションメンが参加し(もともと東部の人ですが)、洗練度が加速しています。“You Belong To Me”はドゥービーのマイケル・マクドナルドとの共作で、デイヴィッド・サンボーンがsax吹きまくりです。

https://www.youtube.com/watch?v=ukkRG-flg20

【先週の読書】

23045■心に吹く風・髪結い伊三次捕物余話 / 宇江佐真理文藝春秋
23049■月は誰のもの・髪結い伊三次捕物余話 / 宇江佐真理(文春文庫)
「オール読物」に隔月連載となって刊行ペースがアップしたシリーズ。作者の体調と相談しての執筆ですが、「月~」は文庫書き下ろしの長編で、失われた10年間を振り返る企画。そんなに書き急がなくても~と今になって思います。
23046■小説の惑星・オーシャン・ラズベリー篇 / 伊坂幸太郎編(ちくま文庫)
伊坂幸太郎による「小説ってどういうやつから読めばいいのか、とっかかりが分からん」っていう人に向けてのアンソロジー赤篇。収録は、
電報 永井龍男/恋愛雑用論 絲山秋子/悟浄歎異 中島敦/KISS 島村洋子/蠅 横光利一/最後の伝令 筒井康隆/大根奇聞 島田荘司/人間の羊 大江健三郎
で、意外とエンタメよりも文学寄りのラインナップ。全然ピンとこない作品もありましたが”電報”、”恋愛雑用論”、”KISS”、”蝿”(短いが実に味わい深い)、”最後の伝令”がいい。一番は”大根奇聞”。こんな機会ないと読めないお初な作家ばかりです。青篇(ノーザン・ブルーベリー篇)もあります。ところで北村&宮部による同じちくま文庫の名アンソロジーシリーズ復活を切望。(2021)
23047■楽園伝説 / 半村良(角川文庫)
今年は半村良を読もうと思い立ち、オクで大量に落とし、ちまちま読み始めてから気が付いたのですが、すべてが面白いわけではない(あたりまえだ)。それまで冒頭から引き込まれるように読んで後半醒めて~という作品が多かったのですが、リストの順番に刊行順で読んでいくと、最初から乗れない作品もいくつかあったのでした。荒唐無稽な話ではありますが、基本的には企業小説の体裁を取ったものが多いなあと思います。「楽園伝説」は地上の楽園建設を目指す組織とそれに反する組織の戦い~となんかよくわからないアウトラインですが、まあ面白かった。表紙の絵がすべてを物語ってますが。(1975)
23048■幻想と怪奇11・ウィザード・ヒーローズ(新紀元社
ヒロイック・ファンタジー、オカルト探偵の特集で、ハワードのターロー・オブライエンものとソロモン・ケインもの、C.L.ムーアのジレルもの、カットナ―のエラーク&ライコンもの、クインのジュール・ド・グランダンもの、ウェルマンのパーシヴァル判事ものを収録。一番面白かったのはランズデールのメーサー牧師ものの新作「飢えた雪」でした。