Another Days

tomorrow's another day、some say …

ゲイル、ブラX

【月曜の女たち】アビゲイル・ヘイネス
 
ジョー・ママの2枚でvoを担当するアビゲイル・ヘイネスは、ダニー・くーつの元奥さんでそれ以前にゲイル・へイネスとしてBangレーベルに3枚のシングルがあります。幸い6曲中5曲はつべで聞くことができます。白人R&Bとしてなかなかおもしろいです。66年の”We Got A Thing
Going Baby”と”When Your Baby Says Goodbye”はともにジェフ・バリーの作品。A面はパンチの効いたR&B。B面はやや甘め。次の”Johnny Ander”もバリー作でやや哀愁のナンバー。67年の”I've Never Gotten Over You”と”Love Love And Affection”もまたバリー作。A面はガレージ風に始まりますがスペクター風でこれが一番好み。B面は辛口のR&Bです。
 
【名曲リレー1539】dance#2
■Earth Dance / Brand X(’79)
フィル・コリンズが多忙で参加できなかったというブランドXの「Masques」('79)に入った軽快な"Earth Dance"は、米フュージョンにやや近づいたような明るいナンバーで同じころに出たゲイリー・ボイルの「The Dancer」と比べるとちょっと下世話な感じもしました。ジョン・グッドソールのgは超絶ですが。
 
【先週の読書】
21024■機龍警察・未亡旅団 / 月村了衛早川書房
お楽しみは取っておきたいタイプなんで、基本的にシリーズものや同じ作家さんの作品を連続して読むことはあまりないんですが、今年に入って「自爆条項」を読んだら思わずスイッチが入って今年3冊目(に読む)のシリーズ第4作の登場となりました。いつもメンバーの誰かを主人公にし、その過去などを掘り下げるサイドストーリーと現状を交差させる手法を取りますが、今回は城木特捜部理事官と由起谷警部補だけでなくチェチェンの女性ばかりのテロ組織「黒い未亡人」の一員カティアもクローズアップしその壮絶な半生を回想させます。いやいつもながら圧巻。(2014)
21025■どうしてわたしはあの子じゃないの / 寺地はるな(双葉社
初寺地さんです。佐賀の田舎出身の同級生男女3人が三十歳近くになって、中学時代に書いた二十歳のお互いに向けた手紙を読みあう話。隣の芝生は青い話ですが、豊島ミホさん(筆を断った時はものすごくショックでした)を少し思い出す作風でした。次も別の読んでみたいと思わせる新しい人との出会いにはいつも心躍ります。教えてくださったあまださんに感謝。「小説推理」連載なので冒頭にちらっと出てくる九州女子中学生連続誘拐殺人事件がもっと絡んでくるのかと思ってました。(2020)
21026■大阪 / 岸政彦・柴崎友香河出書房新社
社会学者の岸さんと柴崎さんの共著で、主に90's~00'sの大阪に関してのエッセイ。僕はもちろんきわめて部分的な大阪を訪れた旅行者でしかないのですが、今は大阪を離れもう15年になるという柴崎さんは大正区出身、名古屋出身で関大に入るため住んでからずっと大阪の岸さんは東淀川区上新庄に最初のアパートを借りたといいますから、地図を見ながらこのエッセイ楽しませてもらいました。とりわけライヴハウスやミニシアターにいっぱい人が集まって、アートもライヴも映画も元気だった25年前の大阪(バブルはもうはじけていたにせよ)に思いを馳せる(だけではないですが)内容です。(2021)
21027■日曜日は青い蜥蜴 / 恩田陸筑摩書房
恩田さんの「土曜日は灰色の馬」に続く書物、映像に関するエッセイ第2弾。前の時にも感じたけど対象物が読後間もない頃ならこの文章は面白いでしょうが、読んでもいない本だと面白くない。例外は若竹七海の「製造迷海」の解説「新装版の為の解説」くらいか(2021)。