はちみつぱいの71年から74年までの活動期間中にはオリジナルLP「センチメンタル通り」('73、ベルウッド)を1枚出したきりでした。元々はあがた森魚と鈴木慶一が始めたユニットで蜂蜜ぱいと名乗っていた頃もありました。初期にはあがたのバックバンド的な感じだったのですが、鈴木慶一(g,kb,vo)、渡辺勝(kb,vo)、本多信介(g)、和田博巳(b)、かしぶち哲郎(ds)、武川雅寛(vn)というメンバーになった71年秋以降、春一番やフォーク・ジャンボリーなどの野外フェスに出演して名前が知られるようになりました。
「センチメンタル通り」が出る頃には渡辺が脱退、駒沢裕城(steel)が参加しています。
デッド的なフリーキ―な演奏、日本的情緒満載のフォークっぽい歌詞世界、steelやviolinの入ったエキゾティックな音づくり、また日本のロックにおけるsteelの第一人者、コマコによるカントリー・ロック的な世界など、同時代の日本のバンド中では超個性的な存在でした。
名曲"塀の上で"や"僕の幸せ"のなんとなくウェットな感じが、はちみつぱいと僕の距離を決して縮める事はないのですが、本多が書いたインストの"ヒッチハイク"は名演です。26分過ぎから。
https://www.youtube.com/watch?v=6SextxngClw
【先週の読書2020】4月第2週
・橋を渡る / 吉田修一(文藝春秋)は、4年ぶりの再読でしたが全く忘れてました。3つの別々の話が4つ目でつながる。しかもSF的設定で、おまけにエピローグでパズルがそろう(ピタッというわけではないですが)感じ。これは結構な野心作だと改めて感じました。
コロナウイルス騒ぎの今、もう一つのウイルスの話を。映画化されたものがあまりに有名ですが、怨念と天然痘ウィルスが合体した話の原作はちょっとタッチが違います。相当久々の再読ですが、結果個人的にはやはり「日本語で書かれた一番怖い話」選手権は、「残穢」(小野不由美)が死守した次第であります(ただし「リング」の映画はかなり怖い)。