Another Days

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グールドマン、エルトン

【オムニバスを聞く日曜日】Listen People~The Graham Gouldman Songbook1964-2005(Ace:CDTOP1487-UK'17)

英Aceのソングライター・シリーズは作曲家別シリーズ。10CCのグラハム・グールドマンにスポットライトを当てた本作は、グールドマンが職業作家だった60's英国の作品(ホリーズの”Bus Stop”、ヤードバーズの”Evil Hearted You”、ジェフ・ベックの”Talleyman”など)からそういったものの意外なカヴァー(ラリー・ウィリアムス&ジョニー・ギター・ワトスンの”For Your Love"(ヤードバーズでなく)、アウトサイダーズの”Listen People”(ハーマンズ・ハーミッツでなく))、10CC時代以降の作品まで多数収められています。

10CCの最高傑作ともいえる”I'm Not In Love”(もちろん甘いメロディーの曲調で歌詞が愛を語るのではなく愛してない事を語るシニカルな歌なのですが、最近はこのジョークも理解されず、ラヴバラード云々~と薄っぺらな知識のナヴィゲーターといわれる人たちが紹介してる事も多く全く残念)をフィリー・ソウルのディー・ディー・シャープのカヴァーで。

同じマンチェスター出身ということで地元出の後輩になるモリッシーが89年にカヴァーした”East West”(ハーマンズ・ハーミッツのヴァージョンが一番知られてるか?)

カースティ・マッコールの99年の「Tropical Brainstorm」に入ったグールドマン=マッコールの共作”Treachery”はラテン風味の佳曲。結果的にカースティの悲劇的な事故があってこれが最初で最後の共作になってしまいました。

 

【オムニバスを聞く日曜日】ピクシー・ガール~ワーナー・ガール・グループ・ナゲッツVol.1(ワーナー・ミュージック:WPCR16655-JAP'15)

ワーナーのオールディーズのコンピはフリー素材のような手抜きジャケットがまず安っぽくてよくない。内容はまあいいのですが。ロックンロール60周年企画でシリーズ化された60'sの無名アーティストのコンピ第1弾。R&B紙一重の黒人ガールズからいいとこの白人ガールズ、才能あふれるガールシンガーまで多彩。Warner Bros、Atco、Jubilee、Repriseなど音源を使用。レインドロップス(エリー・グリニッチの架空グループ)、ハニーズ、ジル・ジャクソン(ポール&ポーラのポーラ)、ブロッサムズ(ダーレン・ラヴがいた)あたりは有名ですがあとはあまり一般的には知られてない人たちです。

”Home Of The Brave”のボニー&ザ・トレジャーズのボニーことシャーロット・オハラのボニー名義のシングル”Clise Your Eyes”('66)。遠い昔M&M製のライナー付きブートで聞き馴染んでただけにうれしい。パレード、スモサのジェリー・リオペル作品。

たった1枚出して消えたリネット・ウエストの”This Is Where I Came In”('63)は古いタイプのロッカバラードではありますが、最後の盛り上げなどなかなか素晴らしい。Josieレーベルなんで黒人シンガーでしょうね。

 

 

【名曲リレー2190】mad#2

Mona Lisa And Mad Hatter / Elton John(‘)

「Honky Chateau」に入ったこの素敵なバラードは、この時期のエルトン・ジョンの向かうところ敵なしの状態を表わしています。湯水のようにメロディが湧いてきたんでしょうねえ。デイヴィー・ジョンストーンの弾くmandolinがエルトンと英フォークとの意外な距離の近さを思い出させます。非公式なヴァージョンでしょうがナンシーが歌うハートのカヴァーも見つけました。

https://www.youtube.com/watch?v=zAKIOlZrLzw