Another Days

tomorrow's another day、some say …

ファイアフォール,フロイド

【月曜はじっくり聞こう】Firefall@Denver,79/11/3

アルバムで言えば「Elan」あたり、かつて「Concert Classic」というタイトルでCD化もされていたラジオ音源と同じかと思います。FBBのリック・ロバーツとグラム・パーソンズのフォールン・エンジェルズにいたジョック・バートレーを中心とした、70's後半のアメリカンロック。時代柄ポップス的なMOR風(ロバーツの書く曲はそうです)、マナサス系統の豪快なロックンロールの2本立て。dsが元バーズのマイケル・クラークですがこの人は叩けないことで有名なんで(^^;、バーズのスピリットを受け継いだ的な「象徴的」な存在であるようで、percのジョー・ララ(ゲスト参加)がフォローしてる部分も大きいです。kbとsax,flを担当するデイヴィッド・ミューズの存在も大きい(ロックなロギンズ&メッシーナ的な部分も)。僕は当時参加してたブラック・ローズというサークルの方からいただいたジャパン・ジャムのライヴ音源のカセットを愛聴してましたがそれを思い出す部分もあって懐かしい。

(1)Cinderella(2)Mexico(3)Goodbye I Love You(4)Get You Back(5)Just Remember I Love You

(6)Sweet And Sour(7)No Way Out(8)It Doesn’t Matter(9)Lips!(10)Anymore

(11)Strange Way(12)Livin'Ain't Livin'(13)Just What You Need(14)Colorado

https://www.youtube.com/watch?v=TpXFtpmWCgA

 

【名曲リレー1838】color#3
■Any Colour You Like / Pink Floyd('73)
colorは英国ではcolourとつづられることが多いのでブリティッシュ・ロックは大体uが入ってます。フロイドの「狂気」のB面は能天気な”Money”から始まるのですが、それが終わるとムーディーな”Us & Them"そして後半の盛り上がりのスタートとなる”Any Colour You Like”となるのです。リック・ライトとデイヴ・ギルモアのソロが大きくフィーチャーされたインストで次の曲への橋渡し的役割を見事に果たしています。
 
【先週の読書】
21159■死人街道 / ジョー・R・ランズデール(新紀元社
僕はまったく知らなかったのですが現代のホラー作家として知られた人のようです。これはウィアード・ウエストと言われるホラー西部小説。悩めるガンマンで牧師の主人公が、ゾンビや魑魅魍魎と戦うプログラム・ピクチャー的なパルプ(雑誌に載ってそうな)・フィクションです。とりわけ半分を占める中編「死屍(しかばね)の町」は痛快な部分あり。僕は警察小説に荒唐無稽なものは求めませんが、こういう設定から完全フィクションな話ならお遊びOKという気分になりました(2021)。
アンソロジーに入ったフィニイ作品を読むのは好きですが、まとまったフィニイ作品は同じようなテーマ(ノスタルジックな時間SF)が多くて飽きちゃうことも事実です。異色作家短編集で有名なこのシリーズの第3弾として選ばれた「レベル3」もそう。一番好きなのはパッとしない顔も知らない男女が、出会いそれぞれの理想をとりあえず置いといてデートにこぎつける「雲のなかにいるもの」と過去へとつながった駅の幻に地下3階をめぐる「レベル3」あたりでした(1974)。
21161■聖夜 / 佐藤多佳子(文春文庫)
聖夜に「聖夜」を。
牧師の父親、元ピアニストでドイツ人オルガン教師を出奔した母親を両親に持つ、ミッション系の高校に通う主人公(80年に高3というから世代的にも同じ)は、礼拝の前に演奏する[オルガン部]の部長を務めるほどの腕前ですが、離別した母親の好きだったオリヴィエ・メシアンの難易度の高いオルガン曲を、部のコンサートで演奏する事になって、テクニカルな部分を含めていろいろ悩む…という話。後輩の女生徒から想いを寄せられる話、別の後輩のオルガンが気になって仕方がない話も含め、母と子、父と子の重い部分はありますが面白い。途中ELPの演奏を小学生の時にTVで見てクラシックしか知らなかったのであまりの衝撃を受けたとか~言うエピソードもありました。10年に出た時この本、中学生の課題図書でしたが、ELPとかわかるんかなあ?と思ったものです。佐藤さんは青学出身でオルガンと礼拝が身近にあったとあとがきで書かれてます。(2010)。