Another Days

tomorrow's another day、some say …

スタイヴァース、コロシアム

【月曜の女たち】ローリー・スタイヴァーズ
 
ローリー・スタイヴァーズはムーターさんが紹介されてた人。てっきりナッシュヴィル当たり録音の米カントリー系の人かと思ったら英Chrysalis原盤でヒュー・マーフィーのprodです。「Split Milk」('71)に続く2枚目「The Colorado Kid」からしっとり系のバラードの”Take Good Care”です。しかしジェリー・ドナヒュー(g~フォザリンゲイ)、ゲイリー・テイラー(b)&アンディ・スティール(ds~スティーラーズ・ホイール)らがバックをつけてることも知りませんでした。
 
 
【名曲リレー1546】me#3
■Take Me Back To Doomsday / Colosseum('70)
クリス・ファーロウ(vo)、デイヴ・クレムソン(g)を加えて演奏力を強化したコロシアムの「Daughter Of Time」からの”Take Me backTo Doomsday”は、ジャズロックの範疇ですがブルージーな歌声を聞かせるファーローとクレムソンの存在が効いてます。
 
 
【先週の読書】
21028■深泥丘奇談 / 綾辻行人(メディア・ファクトリー)
前にアンソロジー(「平成怪奇小説傑作集」)で読んだことありますが、連作ものなんでまとめて読むとまた違う印象。この世とは別の世界の京都を舞台にした奇談集で、なにも明らかにならない(解決しない)のがまた心地よくなってきます。「怪談」というよりは「奇妙な味」風のもの。主人公は作者同様本格ミステリ作家で体の変調を訴え、散歩先に見つけた「深泥丘病院」で診察を受けるところから話は始まり、奇妙な医師と看護婦による奇妙な治療をきっかけに様々な事件に巻き込まれるのですが、何か訳知り顔の妻と裏腹に主人公は起きる事件の詳細をすぐに忘れてしまう(^^)というオチ。続編を含め計3冊のシリーズとなっています。
サムザムシという蟲をムシ歯の中に入れ、「虫には虫を~」的治療を施す「サムザムシ」という短編が印象に残りました。(2008)
2129■タマゴマジック / 恩田陸河北新報出版センター)
親が転勤族故、青森県出身ながら転々とされている恩田さんの本籍は仙台だそうですが、「タマゴマジック」は宮城県の地方紙、河北新報に連載された「ブリキの卵」(なつかしの「球形の季節」を思わせる都市伝説の話やら多数派が少数派に置き換わる代わる恐怖を描いた「月の裏側」的でもあります)という短編とオルビス化粧品の「hinami」という情報誌に載せたエッセイ「この世は少し不思議」を仙台を舞台にした初期の短編「魔術師1999」(旧題「魔術師」)とその後日談の書き下ろし「魔術師2016」で挟んだ形のちょっと変わった作品集。仙台の出版社から出すということに意義があるようであとがきで「これでやっと仙台出身といえる」と書かれてます。この前出たムック本での自作を語るコーナーでも、この頃になると「読者も小説とエッセイがミックスされてても何も言わない」と書かれてて面白い。「魔術師」の2本には懐かしの関根一家(デビュー作「六番目の小夜子」とか「象と耳鳴り」など)も登場します。(2016)