Another Days

tomorrow's another day、some say …

セリ、ヘイルズ

【月曜の女たち】石川セリ
「ニューミュージック」という言葉が使われ始めたのは75~6年頃だったと思います。歌謡曲とは違う日本のフォーク・ロックの中でも洗練されたムードで、少なくとも初期には先鋭的なイメージもあったかと(今でいう「シティ・ポップ」に近い)。石川セリのフィリップス移籍後の「ときどき私は…」('76)はその好サンプルでした。そのアルバムから”なんとなく”はシュガーベイブのコーラスも華やかなムードです。”鳥が逃げたわ”のころもいいのですが、僕的には「ときどき~」の方が好み。
 
【名曲リレー1602】hide#3
■Don’t Hide Away / Lou Hayles('77)
ルー・ヘイルズは、詳細不明で77年に1枚「Don't Hide Away」を出してる英国の女性シンガー。このMyrrh(マー)と言うレーベルはクリスチャン・ミュージックの会社なんで、そっち系の歌(神様をたたえる歌)を歌った人でしょう。ストリングスやオーケストラをバックに歌いあげるMORですけど、こういうの苦手なはずなのにスーッと入ってくるのはやはり声質なのかなあともおもいます。声は少しだけギリアン・マクファーソン似であります。「ブリティッシュロック集成」やらRDMの方でも紹介されてますから英国の深い森関係では知られた人なんでしょう。しかしCCM(コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック)って歌詞が宗教的なだけの分類なんで、音楽のスタイルを表してるわけではないのですが(sswという表記と同じで)、不思議とフォークとかAOR風味のものとかぶることが多くて、パンク系オルタナ系のクリスチャンものってないですよね。
 
【先週の読書】
21054■左目に映る星 / 奥田亜希子(集英社)
うまく書けません。左右の視力と症状が違う、不同視(僕もそうですが)の女性が主人公で、彼女が小学生の時同じ症状だった同級生を忘れられなく、合コンの席で同じような症状の男性の事を伝え聞き強引に連絡を取ったら、彼はアイドルヲタで~
という話。要は全然かけ離れた二人でも恋愛のきっかけになるということですが、予定調和的なエンディング。奥田さん初読みです。これはデビュー作ですばる文学賞受賞作品(2014)。
21055■暗約領域 ・新宿鮫XI / 大沢在昌(光文社)
再読でしたがすっかり忘れてました(生安課の新しい課長が女性ということと若い相方が付いたこと以外)。前作「絆回廊」の流れをくむ大作。相当な分量なのに一気に読ませようとします。また何年か後に新作が出たらうれしいです(2019)。